化学に限らず、受験勉強で大切なことは『何を』、『どれだけ』勉強したかです。
このうち、どれだけ勉強したかと言うことに関してはあなたの頑張り次第でどうにでもなります。
1日に10時間やったらそれだけ力がつくし、3時間しかできないならそれはそれだけの学力しかつかないということです。
しかし、「何を」すればいいかは自分ではわからないことが多いです。身にならない参考書を使っていては1ヶ月後には大きな差になって現れます。かなり、きついです。
そこで、今回は僕が受験で使っていたものや友人が使っていたもの中心に化学・化学基礎でおすすめの参考書や問題集を集めてみました。
ここに挙げたものはどれも間違いなく「良い」参考書と言えるはずです。ぜひ参考書選びの参考にしてみてください!

目次
良い化学の参考書って?

紹介をしていく前に、良い化学の参考書の条件をいくつか挙げておきます。自分が使っているもので確かめてみてください。
一つは、どの分野も満遍なく問題があるものです。
例えば理論にページ数の半分以上を割いていて、有機と無機はほんの少し、とい言ったような参考書をたまに見かけますが、こう言ったものは有機無機の補強が必要になってくると思います。(配点的にはわからないですけど…)
もう一つは、しっかりと補足説明がしてあることです。化学は物理と違って暗記で取れる問題もかなりある代わりに、覚えることが多いです。
一つの問題で一つの知識を身につけていたのではコスパが悪すぎます。例えばいまはこうだけど別のパターンだったらこっちになるよね!というような解説がなされていたら非常に丁寧で勉強していくうちに自然と力が身についていくでしょう!
- 分野に限らず問題がたくさんある
- 補足説明がしっかりされている
これらの特徴を頭に入れつつ、おすすめの化学の参考書を見ていきましょう!
化学が苦手な人に
まずは、化学が苦手な人向けの初心者レベルの参考書を紹介します!

岡野の化学が初歩からしっかり身につく
- 化学の初歩の初歩の理解が身につきます!
学校の勉強についていけない人や、先生が何を言っているのかわからないという人にまず手をつけて欲しいのがこの「岡野の化学が初歩からしっかり身につく」です。
このシリーズは、もともとは東進から出版されていた「化学を始めからていねいに」(通称 はじてい)の改訂版みたいです。この本の執筆者の岡野先生は東進の講師みたいですね。
この本の良いところは講義形式で本当に基礎の基礎だけをわかりやすく解説してくれるので、読み物のように呼んでいれば大体授業内容くらいを理解できてしまうところです。
ただし本当に基礎的な内容に終始しているので、問題はほとんどないと言ってもいいくらいに少なく、難度も低いです。なので問題集というよりも参考図書といった感じ。
まず授業についていけない人や化学が嫌いな人の窓口としておすすめしたい一冊です。
らくらくマスター 化学基礎・化学
- 化学を問題を解きながら肌で身につけられる!
問題集としては僕が見た中では最も優しい部類のものです。
この程度の問題なら、化学が苦手な人でもスラスラ(とまではいかないかもしれないけど)解けちゃうのではないかなと思います。
化学に限らず、参考書が苦手な人はいかんせんむつかしい問題を時過ぎてるような気がします。問題をみて、うーんと考えて、解くみたいな。でもそうしていると時間も結構かかるしストレスもたまります。
だからそういう人はまずこういった簡単な問題集を何か一冊やり遂げてみるのがいいかなと思います。
例題が100問と演習問題が200問あってボリュームもなかなかで、らくらくとはいかないかもしれませんが、1撮やりきると確実に実力がつくと思いますよ!
教科書レベル
続いて、教科書の確認問題〜発展問題あたりの難易度の参考書・問題集です。何事も基礎が大事なので、点数が伸び悩んでいる人がいたらこの辺りを徹底的に復習してみると良いでしょう。

セミナー化学
- 問題が多いので定着しやすい!
セミナー化学、化学基礎は学校の副教材として僕が使っていたものです。分量がとにかく多く、難易度にもかなりの幅があったイメージです。
こういう、学校で配られる参考書は誰が使ってもそれなりになるように問題の難易度が広いことが多いです。
なので自分の実力にあった部分だけやったり、テストの範囲だけ解いたりしないと余計に時間がかかってしまう可能性があります。
いい点は、解説がしっかりしているところです。しかも先生に聞きにいけばこの参考書の問題だけはとても丁寧に答えてくれたので勉強になりました(もちろん他のも教えてくれましたが…)。
チャート式シリーズ新化学
- チャート式になれた人は使いやすい!
数学で「チャート式」を使っていて、化学でもやってみたいという人はこちらがおすすめです。世にいう化学のチャート式です。
フルカラーで、かなり詳しい部分まで載っているので、教科書のように何かあったら見直すのに最適です。化学は図や表の問題が出たり、計算にかなり3次元的なイメージを必要とする問題があるのでこういった本が一冊あると何かと便利です。
一問一答
- センター試験に必要な暗記はこの1冊で十分!
- 知識が足りない人はこれをやると良いです
東進ブックスから出版されている「一問一答シリーズ」の化学です。
化学は暗記することが多いと前に書きましたが、暗記物が一冊に詰まっている本というのはなかなか少ないです。(というかこの本以外知りません)
なので何か1冊持っておくと隙間時間に勉強したり、自分が暗記できていない範囲がわかっていいでしょう。
赤シートがついているので、問題を隠して、口頭で答えて、覚えてないところをチェックして、を何週も繰り返せば1ヶ月くらいでマスターできるようになりますよ。
化学の暗記は直前にすればいいやという生徒も中にはいますが、暗記することはたくさんありますし、特にレベルが上がってくれば暗記していないものともう頭に入っているものを仕分けるのだけでも時間がかかります。
合否は1点で決まることも珍しくありません。それが暗記だとしたら…悔やみきれませんよね。なので早めの対策をおすすめします。
センターレベルより上
いよいよセンター試験のレベルを超えて、私立の化学や2次試験対策用の参考書を紹介していきます。

基礎問題精講 標準問題精講
- 基礎・標準ってあるけど、結構レベルの高い参考書!
数学や物理でおなじみの基礎問題精講、標準問題精講です。旺文社から出版されていて、理系の化学の参考書だとまさにコレという感じです。とりあえずセンター試験を8割取れるレベルになったら基礎問題精講やってみようかという感じ。
標準問題精講は難関大の問題も含まれ始めるのでいきなりはきついかもしれないです。ここでいう標準は入試問題の「標準」なのであんまりあてにしてはいけません。
問題量は80問と少なく見えますが、一問一問のレベルが上がっているだけに解くのも回答解説読んだりするのにも時間と根気が必要になってきます。心して取り組んでください。
また、解けなかった問題は絶対にそのままにしないこと。同じ問題が入試に出たら満点取れると自信を持っていうことができるまで解き直してください!
理系標準問題集
- 入門書が「簡単」に解けるけど入試問題が「難しい」と思う人におすすめ!
通称、理標と呼ばれています。標準的な問題が網羅的に取り上げられています。
一説には、解答作成者が5人いて解放がそれぞれバラバラだという説があるのですが、実際にはどうなんでしょう?
使っていた友達によれば、センター試験のような標準的な問題は解き終えて、でも志望校の過去問や模試では歯が立たないという人におすすめの一冊だそうです。実践レベルへの橋渡しとしてなんとも良さそうですね!
重要問題集
- 問題数が豊富
- 毎年、受験の傾向をしっかりと捉えている
- 標準的な問題が揃っていて、応用が効く
やってきました!ご存知(なかったらごめんなさい)の重問です。
僕は数学でも物理でもこの重問を紹介しましたが、化学でも紹介します!数研出版から毎年改定出版されていて、最新の傾向を基にした300問近い良問が載っています。
今ではおそらく買っている人が最も多い化学の参考書ではないでしょうか?
最初にいった良い参考書の条件の、「網羅性・補足説明」もあり、問題数も申し分ないです。ここで目にしていないパターンの問題は入試には出ない、もしくは出てもほとんど差がつかないと思ってもらってもいいかもしれません。
東大、京大は別にしてもそれ以外の大学はこの重要問題集を参考にしていればまずまあ違いなく合格ラインまで学力を伸ばせると思うのでぜひ頑張って勉強してみてください!
難関大志望向け
以下、難関大志望の人向けの参考書です。
この辺りになってくると、化学だけの点数を伸ばすのか、それとも他の教科に時間を割くのかが需要になってきますね!

化学の新研究
- 大学に入っても使うことのできる参考書です!
難関大向けといえば、コレ!という感じで名が知られている化学の新研究です。高校の範囲を超え、大学で習う範囲にまで言及しているので無茶といえばかなり無茶のある参考書です。
しかし、化学を勉強する上で「なぜ?」と疑問に思うことはとてもいいことで、それを突き詰めて考えていけばどこで習う範囲かなんてのは小さなことです。だから大学受験というよりは、化学が好きだからという理由でもっている人が多いかもしれません。
実際、京大の工業化学科の友達に聞くと、化学の新研究を使っていた人というのは結構たくさんいました。大学の範囲もやっておいてよかったという人もいたのでか化学好きの人はぜひ手をつけてみてはいかがでしょうか?
実力をつける化学
- 問題のレベルが一様に高い参考書!
実力をつける化学はZ会から出版されている割と新しい参考書です。あまり知名度のある参考書ではなく、僕も友人から教えてもらうまでは知りませんでした…
かなり難易度の高い問題ばかりを取り扱っているらしく重問を終えた人がやるといいレベルとなっています。
化学が得意な人や、化学で他の人に差をつけたい人なんかは解いてみてもいいんじゃないかと思います。化学は参考書が難しくなればなるほど解説がちんぷんかんぷんになるのが困ったもんだと思っていましたが、この本は流石のZ会クオリティなのでご安心を!
おまけ
赤本
ここまで色々な参考書をおすすめしてきましたが、何と言っても忘れてはいけないのは志望校の過去問、つまり赤本です。
赤本はただいい問題がたくさんある参考書なのではなく、過去問です(当たり前ですが)。なので本番のリハーサルとして時間配分や解答作成の予行演習にもってこいなのです。
しかも、過去の問題から志望校の問題の傾向が見えれば対策のしようもあります。例えば京大はここ数年有機がやたら難しい問題が多く、無機化学に時間を割いて点数を狙った方が効率がいいぞ!という具合です。
また、化学と物理合わせて180分の試験なんかは、どちらの科目に何分かけるかもかなり重要になってきます。
そんなこんなで過去問は超重要です!まずは過去五年分の問題くらいはきっちり解けるようにしておきましょう!
また、東大、京大をはじめとする難関校では○大の化学25ヶ年のように化学の問題だけを25年分集めた参考書なんかも出版されているので興味があったらやってみるとより傾向がわかると思います。
模試の過去問
模試の復習はしっかりしていますか?赤本の問題はいわば過去に出題されてしまった問題なのでもう試験に出る確率は低いですが、模試の問題は試験を想定して作ってあるので実際に試験に出ることもあるんですよ!
特に化学の問題は暗記問題もあるのでそういった問題はセンター試験などでは的中したりします。
また、記述問題や計算問題も模試の頻出問題を扱っているので復習しておくことは大切です。一度解けなかった問題を解き直すことで自分の実力の伸びを実感できたり、新たな苦手を発見できます。
問題は解きっぱなしというのが1番良くありません。しっかり復習し、次に繋げましょう。
最後に
最後の方は、「お前は私のチューターか!」とツッコミたくなったかもしれません。でも、チューターさんも、もちろん僕もあなたのためを思っていっているのでじゃけんにしてはもったいないですよ。
この記事で化学のおすすめの参考書を11冊あげましたが、どれか使えそうなものや興味をもってくれそうなものが一つでも見つかれば幸いです。
一度いい参考書がみつかったらあとは初めに言った通り、あなたがどれだけ勉強に時間と熱意を割けるかです。頑張ってください!応援してます!
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