偏差値とは? 中学、高校生が知っておきたい偏差値の意味と使い道

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はじめに

 

模試などのテストを受けた時や、志望校判定などの時によく使われる指標に「偏差値」があります。この偏差値の高い、低いで喜んだり、悔しがったりする人も多いと思います。

しかし、この偏差値という数値がどのようなもので、どうやって読むのかを知らない人は多いと思います。僕も、自分が中学生の時なんかは全くよくわからずにいました。

 

この記事では、そもそも偏差値とはどういうものなのかという話から、偏差値の計算の仕方、どうやって偏差値を読めばいいのかなどを書いて行こうと思います。中学生から、大学受験を控えた高校生、もしくはそういったお子さんを持つご両親などなるべく多くの人が理解できるよう心がけて書いていきたいと思います。

 

注意

読むのに多少時間がかかるかもしれませんが、ゆっくりと読めば誰でも理解できると思います。もしわからないことがあったらコメントいただければぜひ修正していきたいです。

 

偏差値とは

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偏差値の意味

まずは、偏差値とはどういう値なのかについてです。

偏差値とは、ズバリ「全体の中で自分がどの位置にいるかを示す値」です。ここでいう全体とはテストの受験者を、位置というのはその中でどのくらいの”でき”なのかを表しています。

 

例えば、受験者が1000人のある模試を受けたとしましょう。この時、100点満点の国語のテストであなたは60点でした。これはいい点数なのでしょうか?それとも悪い点数なのでしょうか?

これを知るのにわかりやすいのが偏差値です。例えばこのテストであなたの偏差値が70なら相当いい出来です。40ならもう少し頑張ろうという具合です。

 

平均点とは何が違うのか?

ここで、皆さんの中には平均点と何が違うのかわからないという人もいるかもしれません。確かに、さっきのテスト(100点満点中60点を取った国語のテスト)で、平均点が50点の時はそこそこよくできた方だし、逆に平均点が70点ならもう少し頑張った方がいいかもしれません。

 

平均点でも十分に全体の中での位置がわかる気がしますよね。では偏差値のいいところはどこなのか…

それは、自分がどのくらい”良い”(もしくは悪い)かがわかるということです。例えば今回のテストは1000人中300位だったとしましょう。しかし、同じ300位でも、299位にあと1点と迫った300位なのか、500位とも大差ない300位なのかでは同じ300位でも価値が変わってきます。そうした値を見ることができるのがこの偏差値の良いところで、これは平均点からはわかりません。

 

偏差値は相対値

今度は、同じテスト(1000人が受けたテスト)の数学の結果が、100点満点中40点だったとします。これはいい方でしょうか?もちろんわかりません。

では、平均点が50点だったらどうか?少なくともいい結果とは言えないことはわかりますね。

ここからが本題。では、今度は平均点が70点の国語で60点を取った場合と、平均点が50点で40点を取った数学のテストを比較してみましょう。どちらが悪い結果と言えるでしょうか?

これも、実はわからないんです。平均点から全体の位置を把握することは不可なのです。

 

じゃあ、偏差値はどうでしょう?

同じ”平均点から10点”のズレでも、偏差値は40とか43とかそれぞれに違います。(この場合は43の方が平均点に近い)そして、偏差値が同じなら全体の中でのあなたの位置は同じです。

つまり、平均点が70点の国語で69点を取り、平均点が80点の数学で60点を取ったとしても、偏差値が共に47なら、あなたの全体での相対位置は同じということです。(この場合は国語、数学共に610位くらいにランクインってことです)

 

追い求めるべきは偏差値

なので、「次のテストの目標は80点を取る!」というのは実は変な目標の立て方ということがわかりますか?だって、試験の難易度は試験ごとに変わってしまうので、次の試験での本当に80点がいい値なのかどうかは試験を受けてみないとわからないのですから。

 

でも、「次のテストでは偏差値を60にする」というと、全体の中で上位15%に入る!ということなので目標が明確で具体的です。よく、偏差値に惑わされるな、偏差値なんか追い求めるなという人がいますが、本当は逆で”偏差値こそ追い求めるもの”なのです。

 

まあでも、実際の模試などは毎回平均点や標準偏差(点数のばらつき)が同じになるように難易度調整がなされているので問題になるようなことは滅多に無いんですけどね…

 

50が真ん中(平均点)として、上(下)に行けば行くほど特異

さてさて、だんだんと偏差値が「いろいろわかる」値だってことは理解してくれましたか?まずはその程度の理解で大丈夫です。

さてこの偏差値ですが、大体の読み方を説明します。

まず一つ、需要なことは、

①真ん中が50であること

です。例えば偏差値50の人は1000人のテストでは500番目。また、偏差値が50の人というのは1番数が多いです。

そして、

 

②偏差値は50からの上下での差で同じ数の人が存在

します。つまり偏差値60以上の人と偏差値40以下の人は同じ数だけいることになります。

また、

 

③偏差値は大きくなればなるほどもしくは小さくなればなるほど人が減っていく

ことも大切です。つまり、偏差値が49の人は比較的たくさんいて、偏差値30の人は滅多にいません。

 

以上をまとめると、こんな感じに理解できます。

  • 偏差値50は真ん中。
  • 偏差値55は普通より真ん中より良い。偏差値45の人も同じだけいる。
  • 偏差値60は良い。偏差値55の人よりも少ない(珍しい)。偏差値40の人も同じだけいる。
  • 偏差値70の人はとっても良い。偏差値60の人よりも少ない(滅多にいない)。偏差値30の人も同じだけいる。

 

それぞれがどのくらい珍しいかというと、1000人のうち、偏差値55の人は70人くらいなのに対し、偏差値60の人は50人、偏差値70ともなると10人とかの割合になります。

偏差値の基本は以上です。ここから、偏差値の計算の仕方を書いていきます。計算とかいらないよ!という人は次の「偏差値で何をするの?」へ進んでください。

 

偏差値の求め方

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まずは、いきなり偏差値の計算方法を見ていきましょう。偏差値は、

Y = 50 + 10 × (X – μ) / σ

X … 自分のテストの点数

μ…母集団(テストを受けた人)の平均

σ…母集団(テストを受けた人)の平均偏差

 

 

よくわからない言葉が出てきたと思います。簡単にいうと、

平均とは、観測値の総和を観測値の個数で割ったもので、皆さんがよく知っているあの”平均”です。

標準偏差とは、データの散らばりの大きさを表した数値です。もっと具体的に知りたい人はGoogle先生に聞いて見てください。

 

これらの数値は、テストを受けた人の全員のデータを持っているか、もしくはいくつかのデータから推定して出す必要があります。

「え、そんなことできないよ…」という人もご安心。実は、これらの数値は模試などの場合には公開されていることがほとんどです。なので何か数値を変えて見ようと思った時は自分の点数(X)だけで大丈夫です。

 

 

 

偏差値で何をするの?

さて、では苦労して計算した偏差値とは一体何に使えるのかを見ていきましょう。

 

全体の順位

一つは、自分の立ち位置の把握に使います。自分と同じ点数を取っている人はなん人くらいいるのかや、自分は全体の中で上位何%に入っているのかを知ることができます。

例えば、国語は上位5%に入っているとか、数学は平均点より20点も高かったけど上位30%あたりにいるなとかそんな感じで見ていきます。偏差値の計算ができるようになると、あと10点取ったら上位10%に入れるなとかいう考えもできるようになります。

 

志望校判定

実は偏差値の1番の使い道はここです。

例えば、予備校などは毎年生徒を大学に送り出しているので、どういう生徒がどの大学に合格できるかはある程度データを持っています。しかし、テストは毎度毎度あらつきがあるので

5月のテストで〇〇点の生徒はこの大学に受かる

というデータの場合、毎年毎年同じテストをしなければなりません。しかし、テストは毎年変わります。(ちなみに、平均点との単純な差でもこれができません。それがなぜかはぜひ考えてみてください)

 

そこで登場するのが偏差値です。偏差値は、全体の中のパーセンテージを出すことができるので、

今回受けた人の中で上位10%に入っていた生徒はこの大学に受かる

 

としてやればいいのです。そうすれば去年や一昨年とのデータの比較ができるようになります。また、

今回受けた人の中でこの大学に50%の確率で受かるのは上位15%の人である

 

としたのがA判定とかC判定とかいう、いわゆる合格判定というやつです。

この合格判定を毎回出すために、模試で書く受験校は毎回変えない方が前回との比較がしやすくておすすめです。

 

自分の成長度合いを測る

さて、今しがた「平均点では去年のデータと比べることはできない」と言いましたが、これは過去のデータと比較できないということです。これに関しては個人も同じことです。

どういうことかというのを例をあげて説明します。

 

5月のテストで平均点が50点の国語で60点を取ったAさんは、7月のテストでも同じく平均点が50点の国語で60点を取ったとします。

この時、Aさんの実力は周りの人と比べて伸びているのでしょうか?(まだこの時点ではわかりません)。

 

これを知るには、偏差値を見る必要があります。例えば、偏差値が55→60に上がった場合は全体の中では伸びていると言えます。こういう場合は、7月のテストは、みんなほとんど平均点しか取ることができなかったと言えます。逆もまた然りです。

こういった具合に、過去との比較(つまりこれも違うデータとの比較)をするために偏差値はもってこいなんです。

 

 

おまけ 過去問でも使える

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赤本を解いた時に、この年度は難しかったな!と思うことはありませんか?でも、それは単にたまたまその年の問題が自分に合わなかっただけなのか、それとも本当に問題が難しかっただけなのかの判断はどうやってつけるのでしょう?

 

それも、お分かりの通り偏差値でわかります。平均点でもなんとなくはわかるのですが、偏差値だと他の年度との比較ができるようになって、この年なら合格した、しないのボーダーも見えるようになります。

まあ自己採点は論理の丸ばつがかなり曖昧になってしまうことが多く、あくまで参考としての点数になりますがそれでもかなり有用ですよ。

 

 

偏差値の注意点

では、ここからは偏差値の注意点を見ていくことにします。とっても便利に見えた偏差値も、捉えようによっては非常に危険な数字になってしまうんです。

 

母体数が多くないと意味がない

まず一つ目の注意として、母体数が多くないと正確な値が出ないことが挙げられます。

計算のところで、偏差値は統計学の考え方を使っていると言いました。統計学とは、多くの統計データからなんらかの法則性を導き出す学問です。なのでサンプルデータが多ければ多いほど理論的に正確な値が出ます。

 

なので、大手予備校の模試などは頑張って受験者を集めようとしているし、それだけ価値があるのです。逆に、参加者が100人とかの偏差値なんかは気にしないでいいと思います。

 

母集団が違うと比較はできない

さて、先ほどまで偏差値は比較に使えると言ってきましたが、それはあくまでも母集団(試験を受けた人)が同じ、もしくは同じとみなせる場合に限ります。

 

例えば、駿台予備校が実施している「東大実践模試」の偏差値と、そこそこのレベルの高校の定期テストの偏差値とでは意味が違うことがわかります。なにせ東大実践模試は東大を志望する人が受けるテストなので、レベルの高い人が集まりますが、逆に高校のテストでは大学に進学しないような人も含まれます。なのでこれらで共に偏差値50を取ったとしても、その意味はまるで違います。

 

なので比較できるのは母集団が同じ場合と覚えておいてください。また、駿台の全国模試と河合塾の全国模試などほとんど違いがない場合は同じと考えておいて大丈夫です。

 

何回もやらないと正確な偏差値はでない

偏差値がばらつくのは、何も周りのせいだけではありません。あなたが実力を発揮できるかどうかにもかかっています。こんかいの偏差値はたまたまよかっただけかもしれないし、逆にたまたま悪かっただけかもしれません。

では、気になるのは”どのくらい偏差値に誤差が出るのか”ですが、それはよく言われているのはプラスマイナス3くらいです。つまり、あなたの実力は今回の偏差値よりもプラス3高いかもしれないし、逆に3低いかもしれません。

 

これは、試験の日のコンディションやモチベーション、それにうっかり計算ミスなどによるもので、ある程度しょうがないものです。まさに神のみぞ知るといったところです。

この揺れをどうしたらなくすことができるかというと、1番いいのは模試をたくさん受けることです。例えば4回模試を受けて、

60 57 63 63

という結果だとしたら、1番悪かった57のマイナス3という結果は滅多に出ないと思っていいでしょう。

また、自分で偏差値が計算できるようになると、「この選択肢は勘で書いて当たったからここの点数をカットした場合の偏差値は…」とやって見ることができます。ぜひお試しあれ!

 

 

合格判定の妙とワナ

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何と言っても模試の出来不出来は合格判定でもって現れます。合格判定は大体がA~Eの五段階評価。Aが合格確率80%以上とか、Eが20%以下とかいうけど、それは本当に信用していいものでしょうか

 

合格判定はあくまでも”可能性”

まずはじめに言っておかなければならないのは、合格判定はあくまでも可能性の話をしているということです。模試でA判定の人も試験本番で落ちることもあるし、逆にE判定の人が受かってしまうこともあります。

これらは、合格判定が必ずしも信頼できないことを表しています。先ほども言ったように、偏差値は模試の時のパフォーマンスによって上下することがあります。A判定の人の出来が悪く、E判定の人の出来がよかったらひっくり返る可能性だってあるのです。

 

D判定の人が受かるワケ

では、具体的になぜD判定の人が受かるかを見ていきましょう。理由を二つ挙げます。

一つ目は、もしを受けた日からその人が成長している可能性です。受験者の多い全国模試などは、試験を受けてから成績がわかるまで1ヶ月ほどかかることがあります。その際、手元に帰ってくる偏差値は1ヶ月前の自分のものです。

本番の試験の1ヶ月前くらいに最後の模試の成績が帰ってくるとしたら、合格判定は少なくとも「2ヶ月前」の順位で反映されます。”男子三日会わざれば刮目して見よ” の言葉どうり、中学生や高校生なら2ヶ月の伸び代というのは計り知れません。

この模試の成績と現実の時間とのズレが、志望校判定の一つ目のワナです。

 

二つめは、判定そのものの性質によるものです。例えば、駿台が提供している東大模試などの夏の成績では、ほとんどの人が”解ける問題”をといて、”解けない問題”は解くことができません。そうなると、大体の人が偏差値40~50に集中します。ようは差がつかないってことです。

そんな模試で、もし数学で一問他の人より多く解けてしまったらどうなるか。東大の数学は一問が20点もあるので偏差値は爆上がりします。

 

そしてこの時、この問題が解けなかったらCよりのD判定だった人がBよりのA判定になってしまったとしましょう。この人はどう思うでしょうか?おそらく、「単なるラッキーなどではなく、自分の実力だ!」と思うでしょう。

そして、それこそがワナなのです。もし本番に1問解けなかったとしたら、普通に落ちてしまいます。これは恐ろしいことですよね。

 

こうならないためには、どうすればいいでしょうか?

まずは、こういう事態があることを知ることが重要です。あなたはこの記事をここまで読んでいるので、これに関してはもう大丈夫でしょう。

次に、ひとえに同じC判定だったとしても、DよりのCなのか、BよりのCなのかをはっきり理解しましょう。特にC判定は人数が多く、そして当落線上という危機感がない人が多いように見受けられます。

最後に、これはできればですが、やはり偏差値を計算できるようになっておくと便利です。そうでなくとも、少なくとも偏差値の性質というものを理解しておきましょう。(偏差値を10あげるには標準偏差の分だけを取ることが必要とか、そういう知識です。)

模試によっては、各大学の合格判定を偏差値で一覧化した冊子をくれたり、受験者のテストデータを細かく載せている冊子を配ったりしているものもあります。偏差値が何かを理解できると、有効活用できると思いますよ!

 

 

最後に

長々と書いてしまいましたが、偏差値の使い方、計算方法、注意点などのお話でした。

ここで色々書いていますが、僕も現役の頃までは偏差値の見方とか合格判定のこととか全然わかりませんでした。意識するようになったのは浪人を経験してからです。

 

試験は常に偏差値と隣り合わせです。もしこの記事が偏差値に苦しめられている皆さんのお役に立てれば幸いです。

もっと詳しく知りたい人は、大学で統計数学などの統計の勉強をすると詳しく出てきます。偏差値くらいは高校の数学でも出るのですが、「なぜ偏差値はプラマイ3くらいの揺れだと言えるのか」とかは、推定とか統計評価とか勉強しなければ(数学的には)わからないです。

 

かくいう僕もまだ勉強中なので何か間違ったことなどがあったらコメントにてご教授いただけるとありがたいです。(もちろん無いように努めましたが…)。

それでは、受験生の諸君は偏差値を少しでもあげられるように、頑張ってください!応援してますよ!

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