入試問題にみる東大と京大の違い そこから見えてくるものとは

 

はじめに

日本のトップ大学を2つ挙げるとすれば、それはおそらく東京大学京都大学ではないでしょうか?

イギリスの教育専門誌である「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(Times Higher Education)」の2016~2017年では、東京大学が34位、京都大学が37位で日本トップと2位。予算面や論文の引用数、ノーベル賞の受賞歴を見ても、東大、京大が名実ともに日本で1、2を争う大学であることは間違いなさそうです。

 

しかし、この2大学の入試問題は実は全く違っているのをご存知ですか?どちらも偏差値的にはほとんど同じであるのに対し、入試で出題されるのは全然毛色の異なる問題なのです。

そこで、今回は東京大学と京都大学の入試の違いを見て行くとともに、そこから見えてくる両校の違いやそれぞれの大学が求めている人物像について見ていこうと思います。

 

ちなみに

プロフィールを読んでもらうとわかるのですが、僕はもともと東大志望で高三、浪人とずっと東大入試に向けた勉強をしていました。そして京大の入試勉強をし始めたのがセンター試験を終えてから。京大の過去問を初めて解いたのがそのタイミングなので、まさに滑り込み組です。

なので『京大生なのに』東大入試にも詳しい(むしろ京大入試についての方が何もわかってないかも)という現状が出来上がりました。なので”入試問題にみる東大と京大の違い”ってのは僕にしかかけない記事ではないかと思い、書いてみた次第です。

少し長くなってしまいましたが、お付き合いください。

 

※よく考えたら、塾の先生もこういう記事書けますね…まあいいや。

 

 

東京大学の入試問題の特徴

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東京大学の入試問題の特徴は何と言っても、高度な処理能力です。もともと、東京大学は国の中枢を担う人材の育成をしていたために、官僚という職務に必要な計算や処理能力のスキルを求められたのです。

なので、基本的に時間内にどれだけ手を動かし、問題を解けるかということが鍵になります。英語の問題を例にして見ていきましょう。

 

東京大学の英語の問題は、全部で5問あります。英文の要約、空欄補充、リスニング、自由英作文、そして長文読解です。これらの問題を120分で解かなければならず、時にはいわゆる”捨てる”問題や、どの問題にどれだけ時間を割くか、といった時間配分を立てることが必要になります。

数学や物理、化学なども同様で、限られた時間内に正確に問われたことに解答できるかというのが鍵になります。よく聞くと、なんとなくセンター試験のイメージですが、それもそのはず。センター試験は、元は東京大学の1次試験だったのです。

 

国語に至っては、「文章の中に正解がある!」を基本とし、解答を絶対的なものとして採点します。他の考え方の余地を残さないというべきでしょうか?

 

他の特徴として、東京大学の入試問題は一般的にどの大学でも求められる能力であることでしょう。そのため、「東大の勉強をしておけば、その後どの大学に志望校を変更してもある程度対応できる」ということになります。僕も、志望校を京都大学に変更したのは1月の中頃だったので、これはある程度信頼していいと思います。

 

京都大学の入試問題の特徴

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それに対して京都大学はどうかというと、入試問題に対する考えが全く違います。東大が「しっかり、テキパキ」なら、京大は「じっくり、深く」という感じです。とにかく問題をしっかり読み、正確に捉えて、自分なりの解答を導くことを要求されます。

 

京都大学の英語の問題は、基本的には英作文と傍線部和訳の2つです。これが大問3問で120分。帰国子女の友人は30分で終わったと言っていました。ただし、”だから京大の方が簡単”かというとそうではありません。例えば和訳では単語ひとつとっても文脈の中でどう扱われているのかや、文法的な扱いがどうなっているかに細心の注意を払って訳さなければいけません。しかもその文章も一筋縄ではいかないことが多いです。

数学にしても、理科にしても時間はたくさんあるけど、一問一問が難問で問題文や記述をうっかり取り違えると点数を取り逃がすこともあります。

 

京大の国語では、文章を一度自分の中に取り込み、解答を自分なりに作成することが要求されます。なので、東大は問題文をつぎはぎすれば解答を作ることができますが、京大では自分がわかっているということを自分の言葉で書く必要があります。

また、京大の国語には面白い伝説があって、過去、入試問題で大学側が用意していた答えとは違う方向の解答を書いた受験生が現れた時、緊急の職員会議が開かれ、その解答も正解として扱うことにしたそうです。京大はその人の解答をしっかり見てくれるということでしょう。

 

それぞれの大学が求める人物像

東京大学が求める人物像は先ほど書いた通り、「官僚的な人物」です。もう少し正確に言えば、将来日本を引っ張って行くリーダー的な人物の育成に力を注ごうという意図が見えます。

そのため、必要とされているのは素早い処理能力です。これらを見るために東大の入試問題は問題数を多くし、時間を短くしているのです。

また、東大では自分を押し出さないことも大切なポイントです。組織では自分を出すことが良しとされていないからです。京大では、英語の和訳を関西弁で書くと、「この受験者はなんで関西弁で訳したんだろう?」となりますが、東大だと容赦なくペケがつきます。東大は、模範回答が絶対なのです。

 

一方の京都大学が求めているのは、いわゆる”学問”を追い求める人物ではないでしょうか?もともと、京都大学は東京大学が政府の息のかかった研究しかしなくなり学問の自由が失われそうになったために東京ではなく京都に学校を作ったのが始まりとされています。

 

英語の問題を見ても、京大入試は昨今取りざたされている、実用的な英語とは程遠いです。たった4、5文の日本語を英語にするのに30分もかけていいのは京大の入試だけでしょう。反面、東大はというと、幅広く、様々な能力を、しかも実用的に使える形で表現するので、”文科省が喜びそうな”英語とも見ることができます。

この、いわゆる中枢への反抗精神がにじみ出る京大だからこそ、”変人”が多いと言われるのではないでしょうか?学問においても、ノーベル賞受賞者は京大の方が多数輩出していますし、「理系なら京大!」という人もいまだに多いです。

 

まとめ

  • 東大は「リーダー育成」のため、多くの問題を時間内にこなす能力が求められる
  • 京大は「学者・芸術家」タイプ。少ない問題をじっくり解き、自分を表現することが大切

 

最後に

東大と京大の違いを取り上げてきましたが、これはどちらが「良い」とか、どちらが「悪い」とかいうものではなく、それぞれの特徴として抑えておきたいものです。

なので、自分がこっちが向いているとか、こうなりたいという方に行くことをおすすめします。

 

ちなみに、「京都大学は変人が多い」とよく言われますが、確かに変な人というか世間とズレた人が割といるのは確かです。何よりいいと思うのは、その変な人という目線が、「なんであいつは…」という奇異の目ではなく、「すごい」とか、「個性的だ」と見られることにあると思います。

個人的には、入試問題のあう、あわないも志望校を決める上で非常に需要なファクターだと思うので、「なんかこの問題おもしろい!」と思う問題を見つけたら、どんな大学かなどを調べて見るとおもしろいと思います。

 

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