英語の文法書を探している人は、もしかしたら「1億人の英文法」という本を知っている人も多いと思います。
僕も使っていたのですが、率直に言って、
なのです。
ただし、この文法書には特徴があって、それは「英語をイメージで覚えよう」というものです。なので試験にはちょっと不向きな参考書のように感じていました。
この記事では、1億人の英文法の特徴から使い方までをしっくり解説していきたいと思います。
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目次 (クリックでジャンプ)
1億人の英文法とは?
『1億人の英文法』とは、東進ブックスが出版している、英語文法の参考書です。
発売以来、文法書にしては異例の売り上げを叩き出して、文法の参考書で1,2 を争っています。
あとで詳しく説明しますが、この文法書が他の参考書と大きく違う点は、ズバリ著者がネイティブかどうかです。
例えば、よく比較される「Forest」という文法書は日本人の先生が書かれているのでいわゆる「書き言葉」を中心にテストで使う文法などを解説しています。
しかし、1億人の英文法の著者の1人であるポール・マクベイ氏はネイティブの先生なので、ネイティブが使うざっくりとした英語のイメージをよく伝えてくれます。
この「英語をイメージで伝える」というのが1億人の英文法の一番の特徴で、人気の理由の1つです。
1億人の英文法をやるべき人は?
では、「1億人の英文法」をやるべき人は一体どんな人なのでしょうか?
それは、以下のような人ですね。
- 英語の初心者で、文法の前提知識が何もない人
- 今までのようなカタい参考書が苦手な人
- 英語を話せるようになりたい人
- 文法をそこそこマスターした人
逆におすすめしない人は、「ある程度文法の知識を持っている人」と「試験のための英語をしている人」です。
こうした人になぜおすすめできないかというと、1億人の英文法は「イメージで英語を掴む」ために今までの文法の知識をズラしたり、ちょっとざっくりとした解説をするのですが、それが合わない可能性があるからです。
一方で、これを読むと頭の中でスラスラッと文書を作ることができるのでTOEFLやTOEICなんかの対策には向いています。
1億人の英文法の特徴
では、ここからは1億人の英文法の特徴を写真付きで詳しく紹介していきます。
文法用語があまり出てこない
この参考書は、文法書にしては珍しく(というか多分唯一) 文法用語がほとんど出てきません。
まぁ、過去分詞とかは出てくるのですが、「使役のlet」とか「仮定法過去完了の反実仮想的用法」みたいな難しい言葉はほとんど出てきません。
なので、英語の文法嫌いの人もすんなり受け入れられると思います。
英語の本質について言及している
先ほど、「英語をイメージで伝えている」と言いましたが、正確には「英語の本質を伝えている」のがこの参考書です。
例えば、前置詞のAbout については以下のような説明がなされています。
基本イメージ:周り
派生イメージ:
約、およそ
I weigh about 63 kilos.
僕はだいたい63キロ。
~について
He gave a talk about dogs.
彼女と犬についての話をした。
このように、本質的なイメージを捉えておけばいろんな応用ができるようになります。文法は暗記!と思っている人にとっては衝撃的かもしれません。
イメージが頭に浮かぶ
『1億人の英文法』にはイラストがたくさんあります。これも本質的なイメージをつけるのに大変役に立ちます。
文字の情報はどうしても正確すぎるというか、文字の域を出ません。それに対して絵で描いてもらえるととても覚えやすいし、頭の中に描きやすいです。
このため、僕がオススメしている文法書、単語帳はどれも”絵や図” が使われていることが多いです。
1億人の英文法がしっくりくる人は、こちらの単語帳がおすすめです!
例文がたくさんある
この参考書の特筆すべき良い点は、ズバリ例文がいっぱいあるところです。こうした例文は、英語を覚えるために絶対的に必要になるものです。
例えば、以下のような例文があったとしますね。
I’m too tired to run.
私は疲れていて走ることができなかった。
「なんだ、普通の文章じゃないか…」
と思うかもしれませんが、これを覚えておくだけでいろんな文章に対応することができるようになるのです。
I was too shocked to speak.
ショックで口もきけなかった。
こんな感じで、参考書に載っているに親しむことで、ただ単に「too to 構文は…」と言葉を覚えるよりも何倍も効果的な勉強ができるのです。
どんなふうに勉強すれば良いの?
1億人の英文法のやり方はたくさんあるのですが、その中でも僕がおすすめしている方法や、実際に取り組む際の注意点を紹介していきます。
まとめノートなどは作らないで読む
1億人の英文法はかなり厚みがあり、全部で600ページ以上あります。なので、1日10ページのペースで読み進めても、全部で2ヶ月近くかかってしまいます。
しかも、2ヶ月近くかけて読み進めたら、最後の方は「始めの方に何が書いてあったか」なんてすっかり忘れてしまいますよね?
なので、1億人の英文法はある程度サッと進める必要があります。
そのためにやるべきは、「ノートを取らない」ことです。全部ノートを取るのではなくて、自分の必要なところをチャチャッとメモしたり、参考書に書き込む程度にしてみてください。
例文は音読をして音で覚える
1億人の英文法には例文がたくさん載っていますが、これをぼーっと読むのではなく音読をするといいでしょう。
というのも、目で追っているだけだとどうしても読み飛ばしてしまうものですし、それに記憶にも残らないからです。
目で見て、声に出し、自分の耳で聞くという三拍子そろった音読をすることで心から理解することができるようになります。
前から順番に読み進めていく
1億人の英文法はいろんなCHAPTER に分かれています。苦手なところから読み進めてもいいのですが、お勧めとしては前から読み進めてください。
というのも、この参考書は前半の方にめちゃめちゃ大切なことがたくさん書いてあるのです。特にイメージ的なものは前半の方に書かれています。
なので、時間はかかりますができるだけ前から読み進めるといいでしょう。徐々に英語に対するイメージを深めていってください!
わからなかったら読み飛ばすのはアリ
文法書って、たまに訳のわからないことを言ってくることがありますよね?なんか例外を色々紹介してきたり、「〇〇なのは、わかりますよね?」と当たり前のように高度なことを言ったりしてきます。
そうした「わからない」ものに出くわしたら、先に飛ばしてしまうのもアリです。
特に、1億人の英文法では、英語をイメージで解説してくる部分が多いので、他の参考書に比べてよくわからない部分が多かったりします。
そうした時にいちいち立ち止まっていると、進みも遅くなってしまうし、やる気も落ちてしまいます。
「とりあえず飛ばしておいて、あとで帰ってくればいいか…」というくらいのテンションで向き合ってみるといいと思います!
どのくらいの時間を使う?
「サクッと勉強しよう」と書きましたが、どのくらいの時間をかけるといいのでしょうか?イメージはこんな感じです。
① 1周目
0章~18章までの計19章を毎日1章ずつ
わからないところや気をつけなきゃなと思うポイントをマーカーを引くなりチェックをつけるなりしておくと良いでしょう。
1日に30ページ弱あるので、読み込むというよりはさらっと読み流す感じでいきましょう。
② 2周目 (時間のある人)
もう一度、0章~18章までの計19章を毎日1or2章ずつ
2周目は時間のある人はやってみれば良いでしょう。1周目で理解できなかったポイントやチェックしたところをざざっと読み進めていきましょう。
③ 他の参考書を解く
3周目はあまり意味がないので、僕は他の問題集など実際の問題を解いたりして、わからないところを1億人の英文法で補填することをしていました。
例えば、比較級のところでミスをしたら、1億人の英文法のその範囲だけを徹底的に読み直すのです。
そうやって知識を身につけて問題を解けるようになっていくと実戦で使える文法が自然と身についていきます。
1周目は時間がかかるかもしれませんが、2周目以降は結構なスピードで進んでいくと思うのでだいたい1.5ヶ月くらいを目安にしてみると良いのではないでしょうか?
何回もやると体が覚えていくので是非どうぞ!
1億人の英文法の評判・レビュー
ここまでは僕のレビューのようなものでしたが、実際に1億人の英文法を使った人はどのように思っているかを調べてみました。
帰りの近鉄電車の中で1億人の英文法を読んでましたが、前置詞のイメージ解説がわかりやすくて良い!今までこんな事考えず学習してたから衝撃と言える! pic.twitter.com/tOnXODJe5w
— コジカ (@tks_toeic) 2018年7月7日
3月までTOEICうけないので少しじっくり行きたい。
第一は1億人の英文法の読み込み。
第二はスコアが上がる模試と900特急1.2の復習。
余裕あればメガドリルL。
だらけても、1億人の英文法だけはしっかり読むぞ。
先生感動して涙が出たとか言ってたからな。アツイ先生だったな。— こごみ (@ka_shi_pan) 2015年12月25日
1億人の英文法を少しづつ読み進めていってます。これは本気で英語をやるなら必読書と言えるでしょうね。分厚いし大変やけど時間をかけて何度も何度も読めば良いと思う。 pic.twitter.com/NA0TMOyROg
— コジカ (@tks_toeic) 2018年6月3日
1億人の英文法、買っちゃおうかな。。
欲しいなぁ。— tsubasa (@2basa_1) 2019年1月3日
紹介したのは見つけたなかのほんの一部ですが、僕が1億人に対して思っていた印象と近い人が多かったイメージです。
1億人の英文法の次は? おすすめは
1億人の英文法の次は何をやれば良いの…? と思う人もいるかもしれませんが、だいたいはこれをしっかり読みこんでいればほぼ間違いなく文法は完成します。
まぁ、やりたい人は「ロイヤル英文法」とかをやっても良いのですが… あれは正直、語学の学者になる人がやっているようなイメージです。
なので、TOEICやTOFUL、それに大学受験などに関してはまず間違いなく最高峰の文法書です。それに途中でも説明しましたが、英語を話したり聞いたりするのにももってこいの参考書です。
あれこれ手を出すよりも、この1冊を極めることに専念しましょう。
最後に:ボロボロになるまで読み込みましょう
以上、1億人の英文法の使い方から評判・特徴を紹介してきました。英語の文法書を探しの参考にはなったでしょうか?
英語学習の中では、文法は「なんでやるのかわからない」勉強のうちの1つのような気がします。はっきり言って、フィーリングな感じがしますよね?
はっきり言って、ネイティブならそれでも良いのですが、”外国語” として勉強するのならやはり文法は大切です。
是非1億人の英文法を使って、ボロボロになるまで読み倒してみてください!