持久走が苦手という人は多いと思います。特に普段運動をしない人にとっては、学校の長距離走などはまさに地獄ですよね。
僕は、中学生の時に、県のスポーツ大会の長距離部門で優秀選手として名前を呼ばれたこともあります。
ですが、もともと長距離が得意というよりは「苦手だから、なんとか疲れない走り方を研究した」おかげでした。
そこで、この記事では僕が実際に走っていて疲れないと思った走り方や陸上雑誌などをみて調べた呼吸法やフォームなどについて書いていきたいと思います。
陸上選手からしたら当たり前のことが多いと思うので、
- 出来るだけ疲れずに長距離を走りたい
- 走るのが苦手だけど、タイムを上げたい
- ランニングを趣味として新しく始めたい
という人だけ、ぜひ読んでみてください!
目次 (クリックでジャンプ)
持久走を走るために大切なこと
まず、ざっくりと全体の流れを書いていきたいと思います。長距離を疲れずに、早く、楽に走るためのポイントは3つです。その3つとは、下の通りです。
- しっかりとしたフォーム
- 持久走むきの呼吸法
- ペース配分を覚える
これらを覚えて、実践するだけでかなり楽になります。
実際に、この記事を読んで「走るのが早くなりました!」というメールまで頂いたので信憑性はかなりあると思います。
それでは、これからそれぞれの項目について詳しく説明していきたいと思います。
持久走のフォームは、「マラソン選手」を見習え
まず、何よりも大切なのはフォームです。
長距離が早い人はまず間違いなく「正しいフォーム」で走ることができています。正しいフォームというのは、美しい走り方と言い換えてもいいでしょう。
逆に言えば、汚いフォームで走っているうちは持久走が早く走れることはないということです。
綺麗なフォームだと何がいいかというと、ズバリ「ロスが少ない」ことです。無駄なエネルギーを使うことがないので、疲れも少しで済むし、当然スピードも速いです。
では、正しいフォームがどのようなものかということですが、簡単にいうと「マラソン選手」の走り方を参考にすれば間違いありません。
以下にフォームの注意点を書いていきますが、動画でみた方がわかるという人はマラソンや駅伝の選手の走りを参考にするといいでしょう。
腿を上げすぎない
よく、早く走るコツとして「腿(もも)をしっかり上げる」ことが大切だと言われますが、あれは短距離だけです。
長距離ではこれをやりすぎると疲れるので、ほどほどに上げることが大切です。どちらかというと「早く歩く」くらいを意識しましょう。
腕は自然に振る
腕も頑張って振ろうとしないで、自然に、体が動くままに振るといいでしょう。
もう少し具体的にいうと、肩の力を抜いて、肘を90°に曲げて気持ち後ろ目に振るとうまく体が前に行きます。
意識することとしては、脳のてっぺんから背骨を貫通するような体の軸を1本イメージして、それをひねるような形で手足を出すとスムーズです。
よく、マラソン選手が手をブラーんとしている姿を見るかもしれませんが、あれは手に溜まった乳酸を抜いているのと、単純に手が疲れたからです。
背中はしっかり伸ばす
自分で、「フォームは大丈夫!」と思っていても、意外とできていないのが背中です。
陸上のトラック競技は前に進むものしかないのでどうしても前傾になってしまいがちです。特に短距離の選手は前かがみが普通です。
ですが、長い距離であればあるほど、長距離では姿勢をまっすぐにして、胸を開いて走る方が腕を振ることができ、結果として疲れません。
走るたびに窓などで自分の姿勢をチェックしてみるといいでしょう。
足音を立てずに”スッ” と出す
すでに長距離をある程度走ることができている人は、足の出し方や着地の仕方にも注意を払ってみるといいでしょう。
短距離は、一般的につま先で着地し、すぐに次の足を出します。他方で、長距離では着地はかかとから。そしてつま先の方へ体重を移動し、最後に地面を蹴ります。
余裕のある人は母指球(親指の付け根) で地面を蹴ることを意識するともっと楽に走ることができます。
こうしたことは意識しながら走るとそれだけで疲れるので自然にできるまで練習するといいですね。
持久走の呼吸法は「吐く」を意識する
フォームの次は、呼吸法です。まず覚えて置いて欲しいのが、呼吸をどうにかしようとすると
- トレーニングして心肺機能そのものを上げる
- 今ある心肺機能を使いこなす
の2つの道があります。
ですが、ここでは初心者のために2番の「心肺機能を使いこなすための」呼吸法を紹介します。トレーニングができる人は専門書などを読んで練習してみてください!
息を吸うことは無意識にできる
初心者がまず意識すべきことは、「息を吐く」ことは「息を吸う」ことと同じくらい大切だということです。これは、深呼吸を思い出してみればわかると思います。
誤解を恐れずに言えば、息は自然に吸うことができます。でも、「吐く」ことはあまり自然にできません。なので、意識して「吐く」ことが大切なのです。
息は、鼻で吸って口で吐く
「息を吐くことは大切!」と言いましたが、ではどのように呼吸をすればいいかというと、ズバリ深呼吸と同じ呼吸法です。
口で息を吐くことで、しっかりとした量の空気を出すことができます。酸素を消費しながら走る持久走むきの呼吸法です。
また、リラックスして行うことができるので体力の消費もそこまで激しくありません。
足音と合わせて呼吸をすると良い
呼吸は足音のリズムと一緒にするといいでしょう。
例えば、右、左、右、左という足のリズムであれば、吸う、吸う、吐く、吐くと足のリズムと合わせる感じです。
これは、持久走を走る人たちの間では、「4拍子呼吸法」と言われています。6歩で吸うを3回、吐くを3回繰り返すのは「6拍子呼吸法」と言われています。
この呼吸法だとペースを保ちやすくなる、というメリットもあるのでぜひ試してみてください!
腹式の呼吸を意識するとベスト
できる人は、腹式呼吸を意識してみるといいでしょう。腹式呼吸とは、胸を膨らませて息を吸うのではなく、横隔膜を下げて息を吸う呼吸法です。
イメージとしては、お腹が膨らむ、お腹の方に圧力をかけるように息をするといいでしょう。
練習方法としては、ベッドに仰向けになり、お腹に枕などをのせて、それが上下するように呼吸をしてみてください。
腹式呼吸はマスターすれば呼吸を整えることが可能になるので余裕のある人にはオススメです。
持久走の極意はペース配分にあり
最後に、持久走で重要なペース配分についてです。
持久走で大切な3つのことの中で、覚えておくと一番楽かと思います。特にいつも後半でバテてしまったり歩いたりしてしまう人は必見です。
ただ、これについては、長さやアップダウン、みんなで走るか一人で走るかなどについて違うのでなんとも言えない部分が多いです。
なので、一般的な長さについて言えることを書いていきます。
1km は、スタートが最重要
1km くらいの長さなら、ほとんどスタートゴールまで一定のスピードで走り出すと思います。そのため、スタートがとても重要です。
スタートで走りたいペースより少し抑えたくらいの速さで走るといいでしょう。
また、長距離の競争では最後は短距離走のようにダッシュになるので、競争するならスタートで前にでることをオススメします。そしてそのままの勢いでゴールインするのが理想的な流れです。
3kmが一番難しい
長距離の中で3 km くらいが一番難しいと、個人的には思っています。
3 km くらいになると最初にドーンと抜け出す人と、それから最後に一気にスピードを上げる人がいます。
競馬がわかる人は、先行・逃げ切りなどの先行型タイプと差し・追い込みなどの後発型タイプに分かれると思うといいかもしれません。
どちらがいいというのではありませんが、初心者ならば中間あたりに陣取るといいと思います。
10km は、ついていく
5 km 以上の長距離走で走るのが苦手な人がやる戦法は1つで、それは「必死についていく」ことです。
この方法は、走るペースがわからなかったり、モチベーションの維持にとても有効でとにかくついていくことで楽に走ることができます。
練習することが大切です
以上、ペース配分について書いてきましたが、最初からこれを実践しようとしてもとても難しいと思います。
なので、ペース配分については少し練習が必要です。走るコースが決まっていたり、長さがわかっている場合には少し走ってみる、何回も走る時はペースを調整してみるといいと思います。
長距離が早くなる裏技・トリビア
紹介してきたことは、いわゆる「正攻法」的な長距離の走り方でしたが、ぶっちゃけ初心者がそんなことを全部意識できるかというと、そんなことはありませんよね?
そこで、ここからは本当に簡単にできる長距離が楽に走れる方法を2つ紹介します。他の何を忘れてもいいので、これだけは覚えてみてください!
完全に無心で走る
走っている間、どこでエネルギーを使っているかというと、足もそうなのですが、バカにならないのが”脳” です。走っている景色を見ているだけ疲れてしまいます。
実際、マラソン選手などは「疲労は目から」と言われていますし、だからマラソン選手はサングラスをしている人が多いのです。
ただ、だからと言ってサングラスをかけて走るかというと実際微妙なところです。そこでおすすめな方法が、無心で走ることです。
何も考えず、ただぼーっと走るとなんだか時間の進みが早くなるし、疲れも少なく感じます。
歌を脳内再生しながら走る
歌を脳内再生しながら走ると持久走に良い理由は2つあります。
1つは、足を出すリズムを一定にすることができるからです。歌のリズムに合わせて足を出せば、足が変になることもありません。また、呼吸もリズムで行えます。
2つ目の理由は、単純に楽しいからです。楽しい気持ちで走ると足がどんどん前に出ます。
陸上部では実際にこの方法が使われているみたいですし、個人の持ち歌の話ができるくらいです。
何より簡単なので、ぜひ試してみてください!
持久走を走る前にしておきたいこと
さて、ここからは持久走を走る前にしておきたいことを追記しておきます。持久走は走る前から始まっているので、この辺りも意識するといいでしょう。
また、怪我などの防止にもつながるのでしっかりと読んでおいてください。
栄養をしっかり取っておく
走りに大切なのは、栄養です。持久走は体力を使うのでダイエットをしているという人もできるだけ普通の食事をとっておくといいでしょう。
特におすすめなのが、果物の王様、「バナナ」です。バナナは持久走に必要な栄養が全て詰まっていると言っても過言ではありません。また、吸収の効率も良いのでマラソンの給水ポイントで食べている人もいるくらいです。
また、最近では、アスリートの人たちの中では「サプリメント」や「プロテイン」などを摂取することは当たり前になってきています。
栄養が足りていないと怪我などにも繋がりやすいため、(お金に余裕のある人は) ぜひ活用してみてください!
準備運動は体をしっかりと動かす
運動前の準備運動が大切なことはみなさん知っていると思いますが、そのやり方を知らないという人は多いかもしれません。
持久走を走る前のウォーミングアップで大切なことは、「息が上がるまで」しっかりと走りこむことです。最初は30%くらいの力を入れて走り、徐々に90%くらいの力で体を動かしましょう。
なぜ「息が上がるまで」かというと、準備運動で心肺機能にしっかりと負荷をかけることで全身に酸素を送る準備をするためです。これをしないと走り始めてすぐに苦しくなってしまいます。
また、ストレッチはしっかりと行うといいのですが、運動前には座ってじっくりと伸ばすストレッチよりも体を動かしながら筋肉を伸ばす、いわゆる “動的なストレッチ” をした方が効果があると言われています。
膝が弱い人はサポーターをしよう
初心者の人で、走りたいけど “膝にくる” 人っていますよね?特に年齢を重ねてくるとどうしても体重が膝に行くようになってしまいます。
そうならないためにフォームなどを直すのも大切なのですが、初心者が一番簡単に膝をケアできるのがサポーターです。
これがあると体重や余計な力を分散することができますし、変な方向に曲がらないようになっているので自然と走り方も矯正されていきます。
普段は走らない人ほど、こういう細かいところにも気をつけていきたいですね。
走る前にはしっかりと集中しよう
言わずもがなですが、走る前にはしっかり集中することが大切です。
長距離走は意外にも怪我や事故の多い競技です。その原因の一部としてあげられるのが、集中を欠いた練習や準備運動が原因です。
また、逆に、気合を入れすぎてしまうと走る時間が長い持久走のような競技では気疲れしてしまいます。
そのため、運動の前後では一旦集中して、いざ走る時になったら余計な肩の力を抜いて落ち着いた気分で走るといいでしょう。
持久走のための長距離シューズ
持久走において、シューズはいわば「唯一の用具」と言ってもいいかもしれないくらい重要なものです。
僕はちょっと前まではこのシューズを「軽さ」とか「値段」で選んでいたのですが、少し前からは「クッション性」を気にするようになりました。
そして見つけたのが、こちらのシューズです。
このシューズはナイキの初心者用かつ練習用のシューズなのですが、クッション性がピカイチで足を痛め難いのです。
また、このシューズの上位モデルはなんと2019年の箱根駅伝の優勝校の東洋学園の選手が全員履いていたことでも有名で、今やなんと世界の長距離陸上選手の半分が履いていると言われているシューズなんです。
その理由は、何と言っても「クッション性」です。ソール(靴底) が通常のランニングシューズよりも分厚くなっているのでしっかりと衝撃を吸収して、それを推進力に変えてくれます。
だからプロの人たちがこぞって履いているのです。
そして、このクッションは僕のような「趣味で走っている」ような人にも最適なのです。その理由は、クッションが膝や足の裏の衝撃から守ってくれるからです。
以前までは少し大きめの靴を買って中敷を敷いていたのですが、この靴はそんなことしなくてもかなり楽になりました。
また、通気性も良いので蒸れなくて夏も快適に走ることができます。
お値段もそこそこするので買うときは実店舗などで試しばきをして欲しいですが、ぜひおすすめしたい一足です。
最後に:走るのを楽しもう!
以上、疲れない走り方から呼吸法など、持久走・長距離走のコツを紹介してきました。明日から使えるものも多かったので早速使って見てください。
最後にもう一つ、伝えたいことがあります。それは…
まぁ、僕も昔そうだったのですが、「つまらないなぁ…」とか「きついなぁ…」と思いながら走るとそれだけで苦しくなります。
そうではなくて、テンション高めに「楽しいなぁ!」と思いながら走ることで一種の “ランナーズハイ” のような気分になることもあります。
ぜひ、笑顔で、楽しんで走って見てください!