数学の参考書の中でも、問題量の豊富さとカバーする範囲の広さで受験生に圧倒的人気を誇っているのが…
チャート式
です。
ただ、チャート式は赤・青・白・黄色と 微妙な わかりにくい色分けがされていて、どの参考書を選んだらいいかわからない… という人が毎年続出します。
そこで、この記事では4つの数学のチャート式の中で、どの色を選んだらいいかがわかるように解説していきたいと思います!
ぜひ参考にしてみてください!
目次 (クリックでジャンプ)
【簡単】数学のチャート式早見表
まずはYes とNo で簡単に「どの色のチャートがおすすめか」を見ることができる表を作ってみたので、手っ取り早くどの色がいいかを知りたい人は試してみてください!
チャートの色は、簡単にいうと、次のような感じに色分けされています。
白チャート:教科書~センターレベル
黄チャート:センター~中堅私立レベル
青チャート:難関私立、難関国公立レベル
赤チャート:最難関大学レベル
なので、微妙な違いはありますが、とりあえず上記のようなレベル別に選んでみてもいいと思います。
それぞれの色の難易度を丁寧に解説
それでは、次にそれぞれの色の詳しい難易度や特徴を紹介していきたいと思います。
少し長くなりますが、じっくりと読んでくれればわかると思うのでしっかりと読んでみてください!
白チャート:高校数学の基本問題
- 基本的な問題からやりたい人
- 数学が苦手で点数が取れない人
- 何にもわからない人
白チャートの特徴を一言で言い表すなら、ズバリ「基本」です。
レベル的には、教科書の基本問題くらいで、そういった問題が最初から最後まで続きます。
高校数学の基本的な問題が網羅されているという感じなので、数学の基礎がわからない人や、高校数学を初めからやり直したいという人は、この参考書をおすすめしています。
白チャートは例題がかなりの量を占めます。また、練習問題は例題とかなり似通っているものが多く、ほとんどは「数字を変えたりしただけ」のものが多いです。
なので、手を動かして覚えるタイプの人や「教科書の練習問題は解けるけど、演習問題になるとムリ…」という人にはピッタリの参考書です。
ただ、あまりに基礎が続くので全部の問題を解いたとしても、最終的に「学校の定期テストでそこそこいい点が取れる」というレベルにしかならないのがデメリットです。
センター試験や私立の入試があるという人は、次に紹介する黄チャートから始めてみるのもいいかもしれません。
黄チャート:中堅の私立受験まではコレ
- 今は数学が苦手だけど最終的にセンター試験以上が必要な人
- 基本がそこそこできて、発展につなげたい人
- 教科書の次くらいの参考書を探している人
黄チャートの特徴は、「入試の基本問題解けるようになる」です。
なので、白チャートは一貫して基本問題だったのですが、黄チャートになると基礎→基本問題のスムーズな流れに繋げることができます。
入試の数学というのは、教科書の問題とは少し違います。特に、公式を暗記しただけだったり解放を暗記しただけでは解けません。
そういう人には、この黄チャートがおすすめです。入試問題ほどではありませんが、ちょっとひねった問題や基本がわかっていないと解けないような問題が出題されるので勉強になります。
チャート式だけあって、解答も丁寧に作られていて、「黄チャートでわからないところがある…」と困っている生徒はあまりみたことがないので、白チャートと迷っている人はいきなり黄色でもいいかもしれません。
黄色チャートを全て理解し、解くことができれば中堅の私立校や上位校も狙える位置にくるので、参考書に迷っている人は手をつけてみるといいと思います。
ただ、あくまで基礎と発展の橋渡し的な立ち位置にいるので、難関校の問題には歯が立たなかったりします。
志望校の過去問と見比べて「こればレベルが違うな…」と思ったら、次の青チャートがおすすめです。
だからといって、基礎を放っておいていいわけではありません。基礎ができないと発展は絶対にできません。
レベルの差を感じた人も、黄チャートか、同じような参考書をクリアした後で次のステップに臨みましょう。
青チャート:入試にピッタリの難易度
- 一般的な入試の参考書を探している人
- 入試に数学が必要な人
- 問題を解いたりして理解を深めたい人
青チャートは、いわゆる「大学入試の数学の参考書」ですね。レベル的にも、中堅の私立校 ~ 国公立大学くらいのレベルです。(京大の友達にも、青チャートだけで数学を勉強した人が一人いました…)
青チャートは基礎から離れて、数学の入試で実際に出題された問題や、それに近い問題の例題と、演習問題が載っている感じです。
青チャートの問題は、入試の中でも「王道」と言われるものが結構多いです。
入試の問題は、この「王道」をちょろっと手を加えたり、わかりにくくしたような問題が多く出題されています。
なので、青チャートの内容をしっかり理解していると偏差値65あたりは普通に見えてくると思います。
「数学で絶対に満点を取るんだ!」という強い気持ちがある人以外の、「数学で合格点を取りたい」と思っている人には鉄板の参考書でしょう。
青チャートは白・黄色よりも難易度が高いので時間はかかりますが、その分しっかりとレベルアップします。
ただ、気をつけたいのは「全然わからないけど答えを写して勉強した気になる」ということだけは絶対にしてはならないということです。
参考書で大切なことは、やはり自分のレベルにあったものを選ぶことなので、無理だと思ったら別の問題集をいったんやって、レベルアップしたから解くようにしましょう!
赤チャート:難問が続出の問題集
- 青チャートをやり終えた人
- 数学でみんなよりも点を稼ぎたい人
- 難関大(医学部・早慶・東大京大など) を受ける人
赤チャートは、青チャートのさらに上をいく参考書で、チャートの中ではもっとも難しいものになります。
その難易度はかなり高く、医学部や東大京大を受ける人の中でも、「あれはやらなくていいよ…」という人もいるレベルです。
赤チャートの難易度はまぁ難しいのですが、それ以上に注目したいのが「問題の数」です。
赤チャートは、例題やCheck問題、総合演習問題を合わせると1,000問もあります。
しかも、これらの問題は全て入試の過去問やその応用問題なので、解くのにかなりの時間がかかります。
幅広いジャンルの問題が数多くあるというのはいいのですが、敬遠する人が多いというのもわかる気がします。
赤チャートは難しい問題が多く、時間がかかるので苦手な分野だったり、模試などで点数が取れなかった分野の復習や補修に使ってみるというのがいい使い方かもしれません。
実際に、赤チャートをやったことある人でも、「全部解いた」という人はほとんどいませんでした。
注意:赤チャートレベルになると、そこから5点でも点数を上げることは結構努力がいるようになります。
それならば、同じ時間勉強をして他の科目で点数を上げる方が効率が良い、ということがよくあります。
受験は総合点での勝負です。苦手な科目などはに時間を取りたくない気持ちもわかりますが、ぜひしっかりとした対策を取るようにしましょう!
実は、緑チャートや紫チャートもある?
チャート式で有名なのは紹介してきた「白・黄色・赤・青」の4種類ですが、それ以外にも実は別の色の参考書が出ているのです。
それが、緑と紫です。
緑チャート:センター対策のための一冊
- センター試験対策をしたい人
緑チャートは、センター試験対策用のチャートです。僕は使ったことがないのですが、評判は上々のようです。
センター試験は、時間との戦いです。特に数学IA、IIB は「時間が足りない…」という人が毎年続出します。
この本は、センターの問題や類題を大量にやることによってそれになれる手助けをしてくれるので、時間の短縮に繋がります。
センター試験は、かなり多くの人がお世話になると思いますし、「チャート式が自分に合っている!」と思っている人は、この緑チャートで対策をしてみるのもいんじゃないかなと思います。
ただ、2021年度の入試からセンター試験が廃止になるみたいな話があるので、注意が必要です。
チャート式なら入試形態の変更に伴って何らかの手を打ってくると思うので、興味のある人は最新情報をチェックしておいてください!
紫チャート:分野別の対策用問題集
紫チャートは、理系・文系のためにそれぞれ専用に作られた対策用のチャート式です。
問題が単元ごとに並んでいて、ある意味本当に普通の受験数学の参考書です。
僕は使っていなかったのでなんともいえませんが、いろんな人の反応を見る限り「これを使うなら、別の参考書でも良さそう…」という感じでした。
最初から最後までチャート式で行きたい人にはいいかもしれませんが、別の選択肢もあるというのが現状みたいです。
青チャートとFocus Gold の違いは、レベル分け
同じような難易度の参考書として、よく「Focus Gold」と比較されることがあります。僕の知り合いの高校生にも、
と質問されたことがあるので簡単に説明します。
Fous Gold と青チャートの違いは、ズバリ「レベル分け」です。大学の偏差値でいうと、だいたい次のような感じです。
青チャート:偏差値55~65
Focus Gold:偏差値55~70
まぁ、イメージなので軽くとらえてもらえば良いのですが、要するにFocus Gold の方が「幅が広く、ちょっと高いレベルの問題まである」という感じです。
とはいえ、まぁそれほど差がある気もないですし、使っている受験者層も結構似通っている気がします。
なので、参考書を手にとってみて、「こっちかなぁ…」と思った方を使ってみるというくらいのノリでいいんじゃないかなと思います。
Focus Gold の特徴の一つが、演習問題です。
かなり難しい問題が多く、大学の過去の入試問題が出題されることも多々あります。
なので、Focus Gold は「これ一冊で入試まで行ける!」という感じの参考書という印象です。
他方、青チャートはレベルの幅が狭い分、網羅的に問題を扱っているイメージが強いです。青チャートを解いてから、過去問題(赤本)や他の参考書を解くというルートが一般的です。
どちらが自分に合っているかは、やはり “ビビッときた” 方 (もしくは、学校で配られる方)でいいのかなと思います。
青チャート、黄チャートの後は?
青チャート、黄チャートの後に何をやればいいか、それぞれサクッと解説したいと思います。個人的には、次の流れが理想的かなと思います。
黄チャート→時間があれば標準問題精巧→過去問
青チャート→過去問→(解けなければ) 1対1
黄チャートの場合は、過去問との開きがどのくらいあるかをみて、過去問がとても難しそうに見えたら間に何か別の参考書を挟むことをおすすめします。
また、青チャートであれば大抵の大学の過去問は解けると思うので、その後で自分の苦手な分野などの対策を取っていけばいいと思います。
注意したいのが、黄チャート→青チャートという流れで行くと、問題数が多くなりすぎてしまって途中でやめてしまう人が多いような印象を受けます。
入試までの時間があればいいですが、あまり時間がないという人は問題数の少ない参考書を見つけてやってみるといいでしょう。
関連記事:【100冊以上の中から厳選】大学受験の数学 参考書・問題集 23選
受験生の声(Twitter の口コミなど)
ここまで色々紹介していると、自分でも「これは僕の個人的な思い込みでは?」と思ったりしてきたので、一応Twitter などのSNSや京大の友人に話しを聞いてみました。
参考にしてくれれば幸いです。
京大生は、青チャート以上をやっていた人が多かったです。学校の方針でやっていたり買ったりした人もいました。
とりあえず黄チャート
— 受験生あるあるあるbot (@bboott2014) April 5, 2019
#青チャート #数学
なかなか難しかった…
でも、良問だね! pic.twitter.com/SGORtCrYxg— チャート@勉強垢=メイン垢 (@eDjmZnEJ493neMf) March 28, 2019
好きな参考書は青チャートです
— YJ先輩@音ゲー垢 (@yjsnpi_bandori) February 1, 2019
受験生の定番では、黄チャート→青チャート、もしくは初手青チャが多かった印象です。赤はあまり見かけませんでした。
最後に:参考書は相性が大切です
以上、チャートの色のそれぞれの特徴と難易度についてお伝えしました。参考になったでしょうか?
チャートは昔から多くの受験生に愛されてきたので良い参考書なのですが、使うレベルを間違えると「なんだこれ…」となってしまうので注意してください。
また、別の記事に「青チャートの使い方」という記事を書いたので、興味のある人はそちらもぜひ参考にしてみてください!