今まで数多くの受験生を見てきましたが、その子達に
と聞くと、2人に1人くらいの割合で、
と返事をくれます。
青チャートは実際に、日本で一番売れている数学参考書と言っていいのではないかと思うくらいたくさんの人が使っています。
なのに…
きちんと考えて青チャートを使っている人は意外にも少ないのです。適当にサラッとやっただけでは、学習効果は半減してしまいます。
そこで、この記事では青チャートの効率的な使い方、問題の解き方について紹介していきます。
このテクニックは他の教科の参考書でも実践できる部分も多いので、ぜひ覚えておいてください!
目次 (クリックでジャンプ)
青チャートの特徴
まずは、青チャートの特徴を紹介します。
青チャートがどんな参考書かというと、一言でいえば「解説が丁寧で、問題量がかなり多い」です。
入試数学で出題される問題のうち、簡単でよくみるものから、難しいものや滅多にお目にかかれないものまで、本当にたくさん並んでいます。
加えて、青チャートは問題構成も大きな特徴があります。青チャは、以下のような問題構成になっています。
例題
一般的な基本問題や例題
練習問題
例題に似た問題や、類題が載っている
Exercises
各単元の末尾に、例題に関連する問題が取り上げられている
総合演習基本
巻末に、基本~標準レベルの入試問題が載っている
例題の解答が1題ごとにしっかりと書かれているので、初心者でも安心して解くことができるのです。
突然ですが、”チャート” って、なんのことだかわかりますか?
チャートとは、「海図」のことです。簡単にいうと、海の地図ですね。
“チャート式” は、受験生が問題を解く時に、海図のように正解まで導いてくれるようになることを期待して付けられたといいます。
ぜひこの地図を使いこなせるようになるよう、しっかりと勉強しましょう!
対象となる受験生のレベルは、国公立・私立上位
青チャートを使うべき受験生のレベルは、国公立や私立校の上位・難関レベルです。
具体的には、第一志望が早慶、上智、GMARCH、もしくは東大、京大、その他の国公立の上位校も範囲に入るでしょう。
ただ、問題を解き始める時にはここまでのレベルになっている必要は全くありません。
青チャートを使い始める人の目安としては、「数学のセンター5割以上」が望ましいです。そのくらいのレベルなら、コツコツと解いていくことができると思います。
しかし、センターが5割以下だったり、まだ教科書のレベルがおぼつかないという人は、青チャートより一つレベルを下げて「黄チャート」から手をつけてみるといいと思います。
チャート式の色とレベルの関係については、こちらの記事で紹介しています。
関連記事:【数学のチャート式】あなたにピッタリの色・難易度を紹介します
京大生の友達に聞いたところ、京大生も青チャートをやっている人が多かったです。
もちろん、青チャートだけをやっていた訳ではないですが、それでも極めると第一志望にきっと近づきますよ!
チャート式をやる上で一番注意したいこと
さて、具体的なチャート式の勉強法に入る前に、チャート式をやる前に注意したいことを一つだけお伝えします。
それは…
全部やりきる
ことです。
チャート式は、レベルの広い問題が全部載っているので、前の方だけを解いても、例えば2時関数の問題が得意になるだけです。
それだと2次関数以外の問題が出てきた時に全く対応できなくなってしまいます。
チャートは問題数が多いので、最初のうちは「がんばろう!」と思っていても最後の方で力尽きてしまう人が多い印象です。
しっかりと全部やりきることを目標にして取り組むようにしましょう!
具体的なチャートの使い方
それではいよいよ、青チャートの具体的な使い方について紹介していきましょう。少し長くなりましたが、そこまで難しいことは書いていないので、ぜひ最後まで読んでみてください!
- まずは例題を何も見ないで解く
- (解けなかったら) 指針を見る
- 例題の答え合わせ
- 解けなかった問題にチェックをつける
- チェックをつけた問題の練習問題を後日やる
1 まずは例題を何も見ないで解く
まずは、例題を何も見ないで解き始めます。
ここで「わかる!解ける!」となったらいいのですが、残念ながらそういう問題だけではありません。
なので、「解けないなー…」と思ったらすぐに次に進みます。
どのくらい経ったら次に進むかというのは、左上のこのマークを参考にしましょう。
このマークは難易度数といって、問題の難易度を表しています。
⏰🕛🕛🕛🕛 … 教科書の例レベル
⏰⏰🕛🕛🕛 … 教科書の例題レベル
⏰⏰⏰🕛🕛 … 教科書の章末、巻末レベル
⏰⏰⏰⏰🕛 … 入試の基本~標準レベル
⏰⏰⏰⏰⏰ … 入試の標準~やや難レベル
こんな感じになっています。
僕は、高校3年生の時は、この⏰のマーク×2分 の間、問題が解けなければ “指針” を見ていました。
「何分経ったら」は具体的に決めなくてもいいのですが、参考にしてみてください!
2 (解けなかったら) 指針を見る
例題にチャレンジしてみたけど解けない… という人は、すぐに解答を見るのではなくて、指針を見てみるといいでしょう。
この指針は、問題のポイントや急所がどこにあるか、解答に至る道筋などを簡単に示してくれています。
なぜこの “指針” をみるといいのかというと、すぐに答え合わせをしてしまうと「ダレる」からです。
答え合わせをして、わかった気になってしまった経験は誰にでもあると思います。正解を読んで、「あー、あと一歩だったのになー…」みたいな。
でも、指針を見て自分で手を動かして解答を作ると、「正解」か「不正解」かがはっきりするので印象に残りやすいのです。
この指針は、青チャートの最大の特徴でもあります。
3 例題の答え合わせ
解答を一通り作成したら、例題の答え合わせをしていきます。
この時に注意したいのが、指針(問題の解き方で間違えた) のか、そのほかのところ(計算ミスなど) で間違えたかをしっかりと把握することです。
あと、注意点としては答え合わせにあまり時間をかけないことです。
正解なら丸、間違いならどこで間違っているかを確認して先に進みましょう。
4 解けなかった問題にチェック & 復習
例題を間違えたら、チェックをつけます。この時に、「指針」で間違えたのか、「その他」で間違えたのかで区別してチェックしておくといいでしょう。
なぜかというと、「復習の時に時間がなくなるから」です。
復習の時に時間がない人は、「その他」で間違えた問題を飛ばしても構いません。
それよりも、最初にも言った通り「全部の問題を解ききる」方が先です。
チェックをしたら、早速復習をしましょう。
僕流の復習のやり方は、ズバリ「解答を書き写す」というものです。一言一句同じにして解答用紙のコピーを作成します。
これだけ。
もちろん、理解はしないといけませんが、中途半端に線を引いたりするよりよっぽど確実です。
復習をしたら、次の問題に進みます。下の練習問題はその日に解いてはいけません!我慢します!
5 チェックをつけた問題の練習問題を後日やる
そして、単元が一通り終わったら、後日終わった単元の間違えたところの練習問題に取り組みます。
この時、全く間違えなかった問題に関しては、練習問題を解く必要はないです。
その理由は簡単で、全部の問題を説いていると時間がかかるからです。
自分の解けなかった問題の類題と、解けた問題の類題だったら、前者に時間を割く方が間違いなく成績がアップします。
もし時間がない人は、「指針」チェックをつけた問題だけをやればいいですが、時間に余裕がある人は「その他」で間違えた問題もやるようにしましょう。
辞書がわりに青チャートを使おう
以上が問題集としての青チャートの使い方ですが、もう一つ、青チャートの重要な使い方があります。
それは、
辞書がわり
に使う、というものです。
青チャートは問題が網羅されているので、例えば模試で解けなかった問題の類題を探して解いてみたり、ほかの参考書で解説がわからないとこに青チャートで確認したりできるというわけです。
ほかの参考書で間違えた問題を、復習でとけば経験値も飛躍的にアップします。
また、苦手な分野の対策として、単元を一通りやってみるというのもいいかもしれません。
このように、チャート式は
- ローラー作戦のように前から解く
- 辞書みたいに、パラパラと問題をやる
という2つの戦法を取ることができます。ぜひ試してみてください!
最後に:チャート式の次は、とりあえず赤本
以上、チャート式の効率的な使い方について説明してきました。チャート式は高校数学の問題の大抵を取り扱っているので、これを1周するだけで相当な力になります。
さて、最後にチャート式を解き終えたらどうするかについて簡単に触れておきたいと思います。チャート式を解き終えた人が次にすべきは、ズバリ「赤本」です。
青チャートを終えた段階で、とりあえず大体の大学の過去問題は解けるようになっているはずです。なので、今の実力を再確認するために、赤本を解いてみましょう。
そして、全然力が足りないと思えばもう一段階難しい参考書を、「結構解ける!」という人は過去問演習を中心に解いていくことをお勧めします!
数学の参考書については、こちらの記事で詳しく紹介しています!ぜひ参考にしてみてください!
関連記事:【100冊以上の中から厳選】大学受験の数学 参考書・問題集 23選