- 「何か嫌な胸騒ぎがすると思ったら、両親が倒れた」
- 「直感で選んだ選択肢がたまたま当たっていた」
- 「殺人現場で刑事のカンが働き、見事犯人を捕まえた」
誰しも1度や2度は、こういった「勘が当たった」経験はあるのではないでしょうか?
これらの勘は、ともすると偶然やたまたまのように感じてしまうかもしれませんが、これらが当たるのにはきちんとした理由があったのです。
その理論とは… ファーストチェス理論です!
目次 (クリックでジャンプ)
ファーストチェス理論とは
直感があてになるのか疑い深い人のために、直感についての面白い実験を紹介します。
まず、プロのチェス指したちにチェスの試合のある盤面を見せます。そして次の手を「5秒」で考えてもらいます。
その後、今度は30分かけて次の手を考えてもらいます。
この時、5秒で考えた手と30分で考えた手はどのくらい同じだと思いますか?
実は、この実験によるとその86% が同じだったということなんです。
つまり、パッと瞬間的に考えた手と、長考をしてじっくり考えた手にはわずか14%しか違いがなかったということなんです。
この、「5秒で考えた手」と「30分かけて考えた手」は、実際のところほとんどが同じであることを述べた理論をファーストチェス理論といい、直感は当たるということを裏付ける証拠の1つとなっています。
ちなみに、僕の好きな将棋でも、”長考にいい手無し” という格言があります。
糸谷九段のようにプロの中にも早指しを得意とする人も多いのでかなり信憑性がある理論なのではないでしょうか?
この人も直感を信じていた
直感を信じている人は有名人の中にもたくさんいます。例えば現ソフトバンクホールディングス会長の孫正義さんなんかが有名です。
彼がアリババ創始者の、ジャック・マーとたった6分間面談をしただけで、2000万ドル(日本円にして24億円以上)もの投資をしたのは有名な話です。
きっと彼が成功するだろうことを孫さんはすぐに見抜いたのでしょう。
他にも、リンクアンドモチベーション執行役員の浅野耕作氏は「成果を出すために『即決』ほど重要なことはない」と述べています。
このように、経済界のトップを占めるような人たちも直感力が鋭いことで知られています。
他にどのような人がいるかは、この本をぜひ読んでみてください。
直感が当たるわけは、経験の積み重ねにあった
では、なぜ直感は当たるのでしょうか?
それは、直感というものが、今までの人生で身につけてきた経験の積み重ねの結果、脳が判断したものだからです。
先ほどのチェスを例に挙げて考えてみましょう。
チェスのプロたちは、小さな頃から毎日のようにチェスをやってきました。彼らがチェスをした数は、おそらく何千、何万、もしかしたらそれ以上かもしれません。
その中で、彼らは最善の手というのを考え続けています。
そうした情報というのは、脳に蓄えられていきます。それは意識的に思い出そうとすることはできなくても、雰囲気だったりを覚えているのです。
そして、いざ即決を迫られた時に、脳がその蓄えられた情報を元に最善の手をうとうとして1つの答えを導き出します。これが直感の正体です。
なので、刑事のカンも、受験生の直感も、基本的には積み重ねからの推測なのです。普通の推測と違うのは、これが一瞬のうちに脳が勝手に判断するかどうかです。
直感とは、一言でいうと今までの経験をフル活用した超高速判断なのです。
しかし、人間というのはすごいもので、自分が全然関係ないと思っていても、無意識のうちに脳が共通部分を見つけ出していることがあります。
また、自分では覚えていなくても小さい頃の経験などがいきてくる場合もあります。
直感力を鍛えるためには?
直感力はどのようなものかというのはわかっても、実際に直感力を鍛えられたらこんなに嬉しいことはないですよね。
そう思ったあなたのために、ここからは、直感力を鍛える方法について紹介します。
経験を積む
先ほど、直感とは今までの経験をフル活用した超高速判断と言いました。したがって、ここから導き出される結論は一つ。
今までの経験の中から瞬時に判断を下すのが直感なら、経験値を高めていけば直感力は自然に上がってくるはずです。
ただ、効果を実感できるのは何年後になるやらわかりません…
直感に頼ってみる
今度はもう少し即効性のあるものです。その次は、直感に頼り、何度も使ってみることで直感そのものの精度を上げようというものです。
特に1つのことを10分経っても20分経っても決められない人は、すぐに即決する癖を身につけてください。そのうちに、直感って意外と当たるもんだな!と思えるようになってきます。
本をたくさん読む
直感力を鍛える!系の本は割と多く出版されています。
これまで書いてきたように、ファーストチェス理論なんかを深く考察しながら書かれたビジネス書みたいなものから、「運を貯める!」というような少しスピリチュアルな本までたくさんあります。
例えばこんな本とか…
こっちは割と具体的な内容が…
こういった本には、面白いなと思う部分と、こんなことやって本当に直感力が磨かれるの?といったものまで様々書いてあります。
大切なのは、本当に効果があると思ってやってみることだと思います。
ぜひやってみては?
ファーストチェス理論を会議で使う
皆さんも、会社の会議や部活のミーティングの結論を、「持ち越し」にしたことはありませんか?
- これはもう少し個人で考えてきた方がいいだろう
- このことについては、後日また相談しよう
こういうセリフを口にしたことはないですか?
もし、この次のミーティングまでに今と状況が変わっているようなものであればいいのですが、何の進展もないままに会議をスタートしてしまうと、二回目の会議をする意味がありません。
しかも、会議はタダではありません。例えば20人が集まる会議の場合、一人の給料×人数分の出費です。さらには部屋代、移動費、さらにはその会議が開かれなかった時の機会費用など、かかるコストは莫大です。
ファーストチェス理論から言えば、最初に出した結論と時間をかけて出した結論はほとんど同じです。だとしたら会議を伸ばすのは時間の無駄です。
という勇気を持ちましょう。
- 様々な経験を積んで、脳に蓄える
- 直感力を使って、実際に回路を作る
- 本を読んで、知識を貯める
最後に:いざという時のために、直感を鍛えよう!
直感が当たるわけがわかりましたか?直感とは、今までの経験の総算だったのですね。
“ファーストチェス理論” というものが出てきましたが、これはじっくり時間をかけて考えることには意味がないとする理論ではありません。
ときには時間をかけて、深く考える必要に迫られるときがくると思います。そんな時はしっかりじっくり考えて結論を出すようにしましょう。