英語を学習している人なら、誰しも一度はシャドーイングという言葉を聞いたことがあると思います。
僕も高校受験のとき、苦手にしていた英語をどうにかしようと思っていた時に先生からこのシャドーイングを教わり、特にリスニングの分野の点数をUPさせることができました。
この記事では、そんなシャドーイングを効果的にやる方法からシャドーイングの目的、注意点、おすすめ教材など全般にわたって書いていきたいと思います。
英語が聞けて話せるようになりたい人や効果的なシャドーイングをしたい人は必見です。
目次 (クリックでジャンプ)
シャドーイングとは?
シャドーイングとは、Shadowing と書きます。シャドーは名詞では影、そして動詞では「〇〇の後をついていく」という意味があります。シャドーイングも、簡単に言うと後をついていくことなのです。
具体的に説明すると、英語を聞いて、それを後から同じように口に出したり書き取ったりするものです。
例えば、「It’s a piece of cake!」と言う言葉をシャドーイングする際には次のようにします。
ラジオ 「It’s a piece of cake!」
僕 「It’s a piece of cake!」
こんな感じで、追いかけながら前に言っていたことを反復するのがシャドーイングの基本的なやり方です。
シャドーイングの目的は、英語に慣れること
では、シャドーイングはなんのためにやるかと言うと、ズバリ「英語に慣れるため」です。
英語って外国語なので、日本語とは違って独特のリズムがあります。また、リエゾンと言って音と音のつながりがくっついたりもします。
こうした違いは教科書やテキストには載っていません。文字では掛け合いし、かけたとしても習得は難しいのです。
これに慣れ、英語と親しむことがシャドーイングの目的です。
シャドーイングってどんな効果があるの?
シャドーイングの効果は主に3つです。
1つめはリスニング力の強化です。英語を聞いて、しっかりと発音するためにはしっかり英語を聴取らなれければなりません。
また、英語のリズムも体に染み付いてくるのでだんだんと相手が今どうしをしゃべっているのか、どこが単語の切れ目なのかなどがわかるようになってきます。
これを繰り返し行うので、自然と英語を聞くとれるようになるのです。
2つめはスピーキング能力の向上です。もちろん、英語を聞いてそれを口に出していれば英語の話し方と言うものが身についていきます。
ここで重要なのは、シャドーイングで身につけたスピーキング能力はアメリカやイギリスなどで使われている日常的な英語に非常に近いと言うことです。なので、日本の教科書を丸暗記するよりもよっぽど日常生活で役にたつと言うメリットがあります。
そして最後は、文章を前から理解していく力です。
英語と日本語では文章の構成が違います。例えば英語は重要なことを前に持ってくる、みたいな感じです。そのため、日本人が英語を読むときはどうしても語順を入れ替えて訳す人が多いように感じます。
普段、リーディングに慣れている人は特にそうだと思うのですが、全部読んでから日本語に訳す人、いないでしょうか?
でも、リスニングだとこれができません。訳していくうちにどんどん進んでいってしまいます。リスニングで大切なことは、この英語を前から読んでいく力なのです。
この力を身につけるには、シャドーイングが一番です。前からポンポン訳していくことによって構造になれ、次第にスピードも出てきます。最終的に、リーディングも早くなっていきますよ!
シャドーイングは、もともと聞く、話すを向上させるトレー二ングでした。そしてこれは、通訳の練習の一環として行われていたそうです。
そして、だんだんその効果が広まり、ついには英語学習に用いられるようになったのです。
確かに、聞いてどんどん訳していく通訳と後からついて行って口に出すシャドーイングは似たところが多いですね。
シャドーイングの効果的なやり方
では、ここからはシャドーイングのやり方を詳しく書いていきたいと思います。
最初に行っておきますが、シャドーイングはやり方次第では非常に効果的な学習方法になりますが、逆に適当にやっていると効率が落ちてしまいます。
しっかりとポイントを押さえるよう心がけましょう。
1 教材を決める
シャドーイングに必要なもの、それは音声教材です。英語で話されたものが入っているCDや動画などの音源が絶対に必要になってきます。
この音源の選定も非常に大事です。どのようなシーンで英語を使うのか、それに英語のレベルに合わせて決めなければなりません。
また、口元が見える方がいいのか、それとも音だけでいいのかなど気にすべきところはたくさんあります。
これについては後でおすすめの音源のところで紹介していきます。
2 音声を聞きながら、真似る
音源が決まったら、早速シャドーイング開始です。やり方は簡単で、耳から聞こえてきた通りに発音するだけ。
大切なのは、とにかく聞いた通りに真似ることです。リズムや発音、巻き舌など映画の俳優さんのように心を込めて読み上げましょう。
と、いうのは簡単ですが、実際にやってみるとかなり難しいと感じる人も多いと思います。僕も最初のころはスピードについていけないことが多かったです。
そんなときは、レベルを落とすか、スピードをゆっくりにしてみましょう。
3 時間があればスクリプトを見ながらもう一回聞いて発音
ある程度シャドーイングが進んだら、今度はスクリプトがある場合は、それを読んでみるといいでしょう。そして、自分の思っていた通りの単語だったかを確認して、もう一度シャドーイングをしてみましょう。
これを繰り返すことで、聞こえた音と頭に描いている音がだんだんと一致するようになります。
4 時間を決めて繰り返す
あとは、上記のことを繰り返すだけです。
1日例えば10分でもいいので、毎日時間をとって繰り返すようにしましょう。
これまで、シャドーイングは音声の後に続けて口に出すという方法を紹介してきましたが、口に出すのではなく書き取る場合もシャドーイングと言います。
これは、別の言葉でディクテーションとも言います。
🔽ディクテーションについてはこちらの記事で紹介しています🔽
シャドーイングのおすすめ教材
では、ここからはシャドーイングにオススメな教材について説明していきたいと思います。
専門のテキスト
スピーキングで使うのに一番おすすめなのが、やはり専用の参考書やテキストです。丁寧にまとめられているものが多いですし、レベルもだんだん難しくなっていくように設定されているので非常に勉強しやすいです。
また、繰り返し聞くことができるので復習にも向いています。
社会人の方で勉強にお金をかけられる人は、まずは迷わずにシャドーイング本を1冊買ってみることをおすすめします。
ニュース・ラジオサイト
ニュースサイト: VOA、NHK英語講座、
ラジオ: BBC(英国国営放送)、CBC(カナダ放送協会)、The Associated Post(AP通信社 ラジオ放送)
各国のラジオ放送やニュースサイトもおすすめです。
いい点としては、標準的な英語が使われていることが多いので基礎的な英語が身につけることができる点です。
また、探せばニュースサイトは無料で、いくらでも出てくるので教材探しに時間がかからないことです。
逆にデメリットとしては、レベルを下げたりするのに不向きなこと、そしてテキストがないので確認がむづかしいことです。
どちらかといえば上級者向きな気がします。聞く際にはアメリカ、イギリス英語のどちらをマスターしたいかに注意しましょう。
TED
TEDとは、伝えるべきアイデアを持っている人が、それを広めるためにプレゼンテーションを行い、それを世界に発信している団体です。
TEDでは社会問題から生物・化学系まで幅広く、しかも面白いスピーチを聞くことができます。話者も話題も様々で興味を惹かれます。
また、字幕もあるのでしっかりと確認することができます。
ただ、あくまでスピーチなので日常会話などとは少し違いがあります。どこまで役に立つかはわかりませんが、楽しんで勉強できるという点ではおすすめです。
Amazon Prime Video を使う
この記事を読んでいる人の中にはAmazon Prime を初めとするビデオオンデマンドのサービスを使っている人もいると思います。
そうした人は、ぜひ映画やドラマなどのセリフを繰り返して覚えてみるというのも手です。
英語で見ることができる作品は多いですし、字幕があるものもかなりあります。
ただ、英語の字幕は俳優さんが喋っているままに表示されるわけではないのでそれだけは注意しましょう。
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僕も会員なのですが、もはやならない理由が見当たらない!
単語帳
意外とおすすめなのが、単語帳のシャドーイングです。
単語帳には例文が載っていますよね?あの例文をただひたすら追っかけて話すだけ。
長さもちょうどいいですし、覚えていない単語や意味が曖昧な単語もマスターできるので一石二鳥です。
しかも、単語帳は例文を見ることもできるので復習もしっかりできます。
ただ、デメリットとしては文章が全体的に短いので長い文章を聴く力はあまり期待できません。単語帳で慣れたら今度は長文のテキストなどで勉強してみるといいでしょう。
シャドーイングの注意点
では、ここからはシャドーイングの注意点についてみていきます。
意味はわからなくてもいいから、追いかける
まず、シャドーイングで大切なのが、「最初から完璧を求めない」ことです。だって、最初から完全に繰り返すことができるのなら、そもそもシャドーイングなんてやらないですよね?
だから、「なんとなく」でもいいのです。大切なことは、聞こえたように口に出し続けることです。意味よりもむしろ、大事なのはリズムや語感なのです。
このリズムの違いが最初は戸惑いのポイントかも知れませんが、逆をいえばこのリズムに慣れることができないと “伝わる” 英語はいつまでたっても話すことができないので頑張りましょう。
文字を見ない
最初にシャドーイングをするときは、できるだけ文字を見ないようにしましょう。これはなぜかというと、文字を見ているとどうしてもそのイメージに引っ張られてしまうからです。
例を出して考えるとわかりやすいと思います。
I’m sorry but I can’t.
書いてある通りに読むと… 「アイムソーリー、バットアイキャント」
実際に聞いてみると… 「あぃム そぉリィ、バライきゃんッtゥ」
こんな感じで、ネイティブの英語を喋るときは、書いてあるように読んでいるわけではないんですね。日本語でも雰囲気を「ふいんき」と言ってたりするのと、まぁ似たようなものです。
だから、話すときに必要な音は、耳で聞いた音を正確に発音することによって読み方を体で覚えていくといいのです。
時間があれば、自分がよくわからなかったところを後から見て、確認するというパターンで覚えていきましょう。
言っている英語をしっかりと真似る
注意点として一番強調しておきたいのが、「英語をそれっぽく口に出すことを恥ずかしがらない」ことです。
特に日本人は “純Japanse” な発音をすることが普通というか、変に英語っぽい発音をすると白い目をされるような傾向にあるような気がしますが、そんなことは一切気にしなくていいです。
最終的に喋ることができるかどうかはおいておいて、英語のような発音をすることが上手に喋ることができるための最短コースです。
どうしても恥ずかしかったり周りの目が気になる人は、一人でやるようにしましょう。
身振り、手振りもつけるとGood!
よく言われることですが、コミュニケーションというのは nonverbal (非言語的) なものが占める割合は非常に大きく、実に70% とも言われています。
つまり、実際に会話をするときは身振りや手ぶり、目線や表情などをしっかりつけることが大切なのです。
そのため、シャドーイングでも練習しておくことをおすすめします。とっさにできるようにするには、練習あるのみです。
また、体を動かすことで脳をしっかりと活動させることもできます。このためにシャドーイングの効果も上がるのでぜひ体で表現をしながらシャドーイングをしてみてください!
自分のレベルや目的にあった教材を使う
当たり前のことですが一応書いておくと、教材は自分に合ったものを使うようにしましょう。
自分に合ったもの、というのは次のような基準を取るといいでしょう。
- 6割~8割くらいの単語がわかるか
- それをやったら自分の目標に近づけるか
- 適度に続けられるくらいに面白いか
- 分量はしっかりしているか
特にシャドーイングは毎日した方がいいので、ある程度は分量があるものを使うといいでしょう。
コツコツ続けていく
そして、何事においても大切なことを書いておきます。それは、ズバリ続けることです。何事も、継続が大事なのです。
特に英語の勉強においては習慣化はとても大切です。
英語業界では、英語が聞ける・話せるようになるために大切なことは、「英語のシャワーを浴びる」ことだと言われています。
これは、非常にたくさんの英語を聞いたり話したりするということです。留学した人が英語を喋ることができるようになるのも究極的にはこのおかげです。
この記事を読んでいる人は留学したくてもできないという人が圧倒的だと思うので、ぜひシャワーを浴びるように英語を勉強してください。
やろうとしているけれどもなかなか時間が取れない人や、どうしてもサボりがちになってしまう人には、「ながらシャドーイング」がおすすめです。
ながらシャドーイングとはその名の通り、何かをしながらシャドーイングをすることです。
お風呂に入りながら、ストレッチをしながらなど他のものと組み合わせることによって勉強のモチベーションを保つことができます。
ぜひやってみてください!
この記事のまとめ
- シャドーイングとは、影のように追いかけて発音する勉強法
- 聞こえたことを口に出すことでリスニング・スピーキング能力がUP
- テキストや映画など自分のレベル・目的に合った教材を使おう
以上、シャドーイングについて、目的や効果的なやり方、オススメのテキストなどを紹介してきました。
英語を話したい、聞きたい人はぜひ参考にして、まずは1週間でも継続してみてください。
🔽リスニングに最強の、ディクテーションについてはこちらの記事で紹介しています🔽