夏休みの宿題で「最も大変」という声を多く聞くのが、読書感想文ですよね。
特に、「オリジナリティ」を出すのはけっこう大変なのではないでしょうか?
この記事では、そんな読書感想文の書き方を、以下の3つのポイントに絞って紹介していきたいと思います。
- 書き出して圧倒的な差をつける
- 高評価を得るためにやってほしいまとめ
- オリジナリティを出すためにできること
少し恥ずかしいですが、最後の方に感想文の具体的な例を載せているので、ちらっとでも参考になれば幸いです。
目次 (クリックでジャンプ)
読書感想文は書き出しが大事
読書感想文が「印象に残る」ものになるかどうかは、いって「一番最初の文」で決まってしまうといっても過言ではありません。
しかも、やったことのある人ならわかると思いますが、感想文の1文目って全然思いつかないですよね。僕も3日くらいずっと頭を悩ませた記憶があります。
そこで、ここでは具体的にどのように書き出しを作ったら良いかというテクニックをいくつか紹介していけたら良いなと思います。
ぜひ参考にしてみてください!
1. 最初の文に引用を持ってくる
まずは一般的なテクニックです。これは、書き出しを本文の内容から引用して、その感想をスパッと言い切るというものです。
- “春が二階から降ってきた。” という出だしに驚いた。
- “どなたかあの鳥をみつけた方は、どうぞぼくたちに返してください。” というチルチルの言葉が、頭から離れない
のような感じで、ドーンと一気に読み手をこちら側に引きつけるのです。
これなら、自分が読んだ中で伝えたい内容の本文を持ってきて、さらにその感想まで書くことができます。優秀なので、ぜひやってみてください。
もちろん、ここで引用する文は重要で、ここで何を選ぶかで感想文の流れを決めてしまいます。
ちょっと読んだだけではわからないけど、あなたの感想文を読んだ後だとスッキリ理解できる、短めの文などを選んで見るといいでしょう。
2. 主人公(登場人物)の名前を最初に持ってくる
これは小説の感想文とかでたまに使われる書き出しです。
徳永という人物を漢字一字で表すなら、「謐」が適当であるように思う。
阿良々木暦という1人の人間にとって、羽川翼という少女の存在はどれほどかけがえがなかったのだろうと想像する。
こんな感じで、「名前 + 印象」だったりとか「名前 + これから書きたいこと」をくっつけるとだいぶそれっぽい感想文になります。
やはりこういうのは主人公がやりやすいですが、例えば
のように、主人公以外の書き出しも全然ありえると思います。
キマるとわりかしかっこいいので、使えそうならぜひやってみてください。
3. 最後のストーリーからの続きがあると仮定して書く
読書感想文の形態としてよくあるものに、「この本はここで終わってしまうけど、その後どうなるだろうか?」という読者の想像を感想として書く、というものがあります。
その時に使えるのが、この「本の続き」を書くテクニックです。
大学生になったのび太は、どのような生活をしているのだろうかと考えると、想像が掻き立てられる。
このテクニックでは、本の内容(起こった事件とか恋愛とか) が、その人にどのような影響を与えたか、そしてその人がどんなふうに成長していくのかを書くのが一般的だと思います。
これのいいところは、本文からの引用が少ないので、ちょっと的外れでも「こういう発想もナシじゃない… かな?」と思わせられるところです。
僕はこのテクニックで、3ページしか読んでない本で感想文を書いたことがあります。
そのくらい有用なものなのですが、みんなはしっかりと読んでくださいね!
高評価の読書感想文を書くためのポイント
では、ここからはいよいよ感想文の評価を上げるためのポイントについてあげていきたいと思います。
これを抑えるだけでも、かなりセンスの良い感想文になるので、どれか1つでも意識して文章に組み込んでみると良いと思います!
ポイントは、以下の4つです。
- 自分が主人公だったら… と考えてみる
- 感動したポイント、違和感を覚えた点などを分析してみる
- わからないなら、なぜわからないかを書く
- この本を読んで得られた知見を書く
1. 自分を主人公(登場人物) に置き換えて話を進める
まず評価のポイントとして真っ先に上がるのが、「自分」というものがどのくらい書けているかです。
読書感想文は小論文とは違い、「あなたがどう感じたか」というのがかなり重要なポイントになってきます。
なので、あなた自身の経験や体験、感じたことなどを書き込むことが非常に大切なのです。
- あなた自身のこと (経験、感じたこと) などを書く
そして、その最も有効な手段が、「登場人物」になりきってあれこれ感想をいうことです。
例えば…
- 主人公のこの行動は自分だったらできるだろうか?
- この前喧嘩しちゃった相手は、小説のこの人のような気持ちだったんだな
- 僕だったら、この出来事を違った視点で見ていたと思う
こんな感じで、キャラクターになりきって話を進めていくのです。
こうすれば、書く文章が自然と感想文になるのでオススメです。
2. ここに感動しました、という
先ほど、「自分の経験や思ったこと」を書くと良いと言いましたが、それは例えば
- ここに感動した
- このシーンに心を動かされた
と言ったストレートのものでも構いません。
この場合、その後どのように続けていけば良いかというと、ズバリ「どうして自分はそう思ったか」という自分語りに徹するのです。
そうするとより内容の詰まった文章になりますし、何より先生のウケがいいw (ゲス顔)
締めとしては、
とやるとベスト!
グッと読書感想文っぽくなります。
また、共感ポイントや違和感を感じたところなどを列挙していってもいいでしょう。
3. 理解できないポイントを洗い出す
逆に、自分語りをあまりしたくない人やあまり共感ポイントがなかった人は、作中の「理解できないポイント」を洗い出してみるといいでしょう。
そして、その中から「これはどうしても納得できない…」というものを引っ張ってきて、
どうして理解できないのか
- なんでそれがそうなっているのか
- などを書き並べてもいいでしょう。
ただし、これだけではただの「物語の分析」なので、自分の意見なども盛り込んで見るといいでしょう。
ちょっと抽象的になってしまいましたが、要するに
「私はこの作品、全然感動できなかったなぁ… んー、みんなが言ってる “泣けるポイント” っていうのはここなんだろうけど、私は別にそんなに心を動かされなかったなぁ。きっとこの人がここでこういう言葉をかけるのが良いんだろうけど、この前これを友達にリアルで言われたら引いちゃったなぁ…」
みたいなことを感想文っぽく書くやり方です。
好き嫌いは分かれますが、僕は割と好きなので夏休みの相談にきた中学生なんかには積極的に勧めています。
4 この本を読んで得られたことを書く
最後は、かなりオーソドックスなもので、
私はこの本を読んで、これこれこういうことを得ることができました
とするやり方です。
締めにこの文章を持ってくる人は多いですが、意外とパンチがあるのが初めにこれを持ってくることです。
例えば、
とか言った文章が出だしにあると、読み手としては「おっ、どうした?」と読みたくなってしまいます。
先頭の方に置くのはちょっと難易度が高いですが、締めにこれを書くのはもはや定番なので、ぜひ試してみてください。
オリジナリティのある読書感想文にするためには
それでは、ここからはいよいよオリジナリティのある作文にするためにはどうしたら良いか、ということについて紹介していきたいと思います。
これはあくまで僕が書いてきた読書感想文や、読んできたものの中でいいと思ったものや個性的なものを集めただけなのでどれほどいいのかはわかりませんが…
とにかく、感想文を面白くするためのスパイスのようなものだと思って、ちょっぴりアイデアをもらって帰るくらいのイメージで読み進めてみてください!
- 作品にケチをつける(ツッコミを入れる)
- 勝手に想像してみる
作品にケチをつけてみる
ケチ、というとちょっとマイナスのイメージが強いですが、これは単に「批判的に見てみる」くらいの意味合いです。
例えば、「かちかち山」などの昔話はヒーローが悪者をやっつける、という構図が一般的ですが、それって果たして本当にいいことなのか?とか。
他にも、
- 主人公が良かれと思ってやっていることって本当はダメなんじゃない?
- もっと他にやるべきことがあったんじゃない?
と言ったことを言っていくのが、このスタイルです。
わかりやすい例として、下に「走れメロス」の具体例を上げておいたのですが、要するにメロスだったら、
ってツッコむ、という感じです。
あんまりやりすぎるとイヤーな雰囲気になりますが、そこそこやるなら問題はありません。
物語の裏側やアフターストーリーを考える
最後ですが、意外と使えるのがこの技。「書かれていない部分を自分で勝手に書いてしまう」やつです。
作者は書いてないから誰からも文句は言われないし、「自分はこのシーンでこう思ったから、このあとはこうなるべきだ」みたいなやり方をすると書き手の意見も入って、きちんとした “感想文” になります。
僕が読んだ中で、面白いなと思ったスタイルが、
恋愛小説で、最後付き合って終わる
という物語の後、二人は別々になってアンハッピーな人生を送る、という感想文を書いたやつでした。
これもあまり過激だとそんなに良くないのですが、ちょっとくらい混ぜると面白くなるのでやりたい人はやってみてください!
読書感想文をパッと終わらせるセオリー 3選
最後の僕が書いた読書感想文の例の前に、感想文を「パッと」終わらせるためのセオリーを書いていきたいと思います。
締め切り(?) が近くて焦ってきた人はぜひ参考にしてみてください!
1. 引用できるポイントに付箋をつけておく
まずは「引用できるポイント」に付箋をつけておくことです。
付箋をつけておけば、引用をする時にパッと引いてくることができるだけでなく、付箋を貼る段階から感想文の内容をうっすらと意識することができるので、感想文を書くスピードが段違いに早くなります。
また、ちょっとセコい話ですが、引用は文字数を稼ぐのにかなり有効な手段です。短い文なら2文くらい引用してくれば原稿用紙の1/4 くらいは埋まってしまうので、やってみてください。
2. 型にはめてみる
2つ目のパッと終わらせるポイントは読書感想文の型にはめてみること。
大まかに言って、2つの型があります。
- 全体的を通してどう感じたかを書く
- どこが一番印象に残ったのかを書く
このどちらかを決めるだけで、話の運びが決まりやすくなります。
全体を通して書くのであれば、話の展開やストーリーなどを通して作者が伝えたかったことやそれを自分がどう感じたかなどを掘り下げてみると良いでしょう。
逆に、印象に残ったシーンにスポットを当てるのであれば、自分の体験などを交えてコメントを添えてみるとより深い感想文になると思います!
3. 構成を考えて、分量を決める
1 | はじめに、本を選んだ理由など |
---|---|
2 | 内容の要約をする |
3 | 印象に残ったシーンや内容などを書く |
4 | 本を読んで全体的に感じたことなどを書く |
最後は、構成の仕方です。
読書感想文は、上の表に載せたように
- 話の入り
- 内容の要約
- シーンや全体の感想
- まとめ
という4つの構成にするとバランスが良いと言われています。
制限された文字数の中で、この4つをうまくまとめてみるとあっという間に完成に近づくでしょう!
感想文の具体例をやってみた
では、口だけで「あーだ、こーだ」というだけではアレなので、実際に読書感想文的なものを作ってみました。
そんなに期待しないでくださいm(_ _)m
題材は、『走れメロス』です。
【書き出し】
“メロスは激怒した。” という書き出しであまりにも有名な小説といえば、太宰治の『走れメロス』である。
この本を読んだ私の感想を一言で言うなら、「私は疑問に思った。」である。
なぜだろうか。それはあらすじをまとめてみるとわかりやすい。
【要約】
『走れメロス』を要約してみる。
村の牧人であるメロスは、妹の結婚式の前の日に都に花嫁の衣装やらを買いに来ていた。そこで王の良くない噂を聞きつけ、王様に意見をしに行った。そして処刑されそうなところを、「妹の結婚式があるから」と言って友人のセリヌンティウスを身代わりにして、3日後に必ず戻ると約束をして、村に帰ってしまう。
急いで村に残り、結婚式に参加したメロスは様々な困難を乗り越え、必死に都まで走る、と言うストーリーである。
この要約だけ聞いても私が理解できないのは、やはり「なぜメロスが主人公なのか?」である。
【感想】
諦めました…
【締め】
走れメロスを読んだ感想をまとめると、「メロスよりもセリヌンティウスの方が主人公にふさわしい」となる。
こうなっては、もう『走れメロス』というタイトルはふさわしくない。どうすればいいだろうか。簡単である。
『待て、セリヌンティウス』、これであろう。
うーん、完成度がイマイチな気がしているので、後日書き直したいと思います。
本記事でお伝えしたテクニックでいうと
- 1文目は引用から始める
- 4つの部分で構成する
- 若干批判気味に物語を読み進める
- 腑に落ちないポイントを書く
- セリヌンティウスが待っている間にどんな気持ちだったかを想像してみる
などが使われています。
最後に:時間があれば、何冊も本を読んでみよう
以上が読書感想文の書き方でした。
最初にも言いましたが、パクリにならない程度に参考にしてもらえると幸いです。
※先生にダメ出しされても、僕は責任を取りかねますのでご注意ください
この記事では主に
- パッと終わらせるセオリー
- 簡単にオリジナリティを出す方法
などを紹介してきましたが、これらの方法がベストかというと、そういうわけではありません。
真のオリジナリティとは、たくさん数をこなして、自分で模索した結果身につくものだからです。
そのためにやるべきことは簡単で、とにかく数をこなすことです。
読書感想文では、本を読むことで作品同士の比較などもできるようになるので、夏休みに時間がある人はぜひたくさん本を読んでみてください!
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